116:ゼロ部屋の話と自覚フラグ不発
「ということで、なんか世話役になったよ!」
場所はある意味いつものゼロの部屋。
ゼロは一瞬ぽかんとしてすぐに首を傾げていた
「なったって……え、そんなのあったの?」
「よく知らない。ていうかゼロってごはんとかどうしてたの?」
「食事はここの人が持ってきてくれてたよ」
さらに言えば、この部屋にはお風呂もベッドもあるらしい。
私が今いる位置からはわからないけど、あの角の方にある水晶ぽいあれの影にそれぞれ設置してあるとか
……やっぱりテレビで見たような刑務所みたいだよなぁ……
そう思ったけどあながち間違いじゃないんだよね。
あの時のゼロを考えればだけど!
「見えないものなの?」
「案外ね。」
一応間取り的なのを聞いてみればどれも水晶の影にあって、どういう計算がされてるのかわかんないけどそれぞれもうまい具合に見えない位置になってるんだとか。
……世話役、いらなくね?
「え、ていうかそう考えたら私っているの?」
「多分、名目をつける為だけだと思うよ」
ゼロが言うにはここに来る人はそれこそごはんを運んでくれる人くらいだとか。
あとは私とかアル王とかもいるけどさ
掃除とかは自分でしてるらしい。
「あ、そうか。どのみちこの中に入れないのか」
「うん。だから望月はこれからも話相手でいてくれればいいよ」
「まぁ、たまに差し入れするよ」
だからってわけじゃないけどとりあえず入浴剤をあげてみた。
「……これは?」
「入浴剤。お風呂に入れるのだよ」
温泉気分のと、桃のにおいするのと、しゅわしゅわするのをあげたけど……
ゼロは興味深々だった。
「望月が出すものはなんか面白いものばかりだよね」
「世界観が違うだけでこうも感想が違うものなんだね!」
私にしたらこの世界のものが面白いけどね。
だからこその感覚の違いなんだろうなぁ……
「ごはん……じゃないけどこれもあげる」
「これは?」
「おやきみたいなものだよ。まぁ、適当に作ったのだけど」
おやつにでもごはんにでもどうぞ。とは言っといた。
ていうか私にできることってこういうことくらいな気がするんだけど
「……それにしても、望月はホントに陽翔に好かれてるよね」
「まぁね?ってなんか意味深な言い方な気がするけど……」
「知ってた?陽翔の本質って一途なんだよ」
「一途?」
ゼロは訳知り顔をして、もうひとつの本質を口にした。
「そしてまた、彼らは人の想いを知れる。誰か一人を想い続けてる人が好きなんだよ。陽翔達って」
「……んん?」
「望月ってさ、結構鈍いよね」
想い、続けてる……?
佐藤に対するあれって想ってるってことなのかな?
ていうかそもそも佐藤以外に興味はないしなぁ……
そう考えていた時、陽翔はじっと私を見上げ、しっぽを揺らしてたことに私は気付いていなかった。
それが、答えだということにも。
ゼロ部屋には基本的にリデルとかカイルくらいしか入れないよ!
まぁ、入らないけど。
そもそもリデルはアル王の執務室からほぼ出ないけど。




