106:白竜からのお呼び出し。
――のんびりとした朝……とは言っても窓の外には見たことのない生き物がコツコツと窓を叩いていたけどさ
「おはようございまーす」
「おはようございます、モチヅキさん。……おや、それは?」
「なんか窓叩いてて……図鑑で調べようかなって思ったんですけど。ビネガーさんは知ってるんですか?」
窓を叩いていた生き物はなんか手とかは肉球がついててもふもふだけど形はなんか竜ぽい感じがするし
とりあえず手のひらサイズで可愛い。
ただ、やっぱりこの大陸の子じゃない気がするんだよねぇ……
「えぇ、確かそれは陽翔。伝書を司っており、その首元の珠は送りだした者の力の色を示しているはずですよ。ちなみにその陽翔はオスですね。」
「え、陽翔はオスメスいるの!?」
緋化はいなかったのに……
とりあえず改めて図鑑を見れば陽翔はちゃんと載っていた。
あ、緋化は載ってなかったよ!赤竜の眷属だからなのかは知らないけどさ
陽翔の説明はそれこそビネガーさんが言った通りだったけど
補足として、陽翔というのはリン大陸にしか生息していないうえに竜達のいうことしか聞かないらしい。一応は!
陽翔のオスには手足があるけどメスには手足がないのが特徴らしい。
「送りだした者……竜の言うことしか聞かない……珠の色は白だから……あぁ、白竜さんが呼んでるってことかな?」
そう思考が行きついたら陽翔はまどろんでいたかと思うと急にコクコクと頷いていた。
あ、正解ぽいね。
とりあえずごはんを食べて、陽翔を肩に乗せて私は白竜の領域に飛んだ。
『呼び出してごめんなさいね、お嬢さん』
「それはいいけど。どうしたの?白竜さん」
私が白竜の領域に辿り着いた瞬間、白竜はすぐに私に気付いていた。
まぁ、そりゃ気付くよね。
『陽翔もごくろうさま』
白竜が陽翔を一撫でするとその首元にあった珠から白色が抜け、無色透明のそれがそこにあった。
ただ、陽翔は役目を終えたはずなのにまだ私の肩に乗ってるんだけどね。
「それで白竜さん、呼び出してまで私に何か用事?」
『えぇ、あの子……ゼロの今の様子を知りたくて……』
「ゼロの?元気だよ?」
そういえばゼロの名前を教えてくれたのって白竜だっけ。
だから心配だったのかな?
『そう、よかった……あの子に何かあってはこの大陸もどうなってしまうのか……』
「んん!?」
あれ、やばい。
もしかして、触れちゃいけないとこ触れつつありそうじゃない?
「……ゼロには、自分の為の場所が必要だって聞いたけど……」
『あなた……知る覚悟ができたのね……』
「あ、やっぱりそのレベルになるんだ……」
知りたい気もするけどなんか知ったらめんどくさいことになりそうな気がするんだよねぇ……
まぁ、もう今更だけどさ。
「ねぇ、白竜さん。ゼロはもしかして……」
別にまだ確信があったわけじゃない。
ただ、こうなんだろうなって思ってたことがあるだけで……
私は、とりあえずゼロ達の確信に触れてみることにしてみた。
どうせなるようにしかならないからね!
なんか小動物出したくなったので、リン大陸の生き物陽翔というものを出してみた。オスはケモと小さい竜が合わさった感じでメスはある意味ヘビっぽい感じ。
竜の言うことしか聞かないけど多分人懐っこいイメージ。
そしてちょっとだけ確信に触れてみるオモチ。・・・・お手軽か




