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99:察する察して察した。

「望月は、この世界のことどう思ってるの?」


私がゼロに辞書とかを渡してからだいたい4,5日。

ゼロはすっかりというかなんというか……しゃべりが流暢になっていた。


いや、バカにするつもりはないからね?

にしても……


「この世界を?」

「うん。ちょっと気になって。」


そういえばよく考えたことないや。

私の場合は偶然とか必然とかじゃなくてある意味強引なほうの召喚だったし……でも


「嫌いではないよ?」

「……望月ってホントにわかってるときとわかってないときがあるよね」

「それは否定しないけど……急になに?」

「望月、前に言ってたでしょ?携帯が向こうと通じてるって。」

「あー……うん。」


ぶっちゃければ、多分通話はずっとは繋がらないって思ってるけど


「多分だけどね、世界が望月に選択肢を与えたのは世界も望月が気に入ってるからだと思うの。」

「それと通話になんの繋がりが……」


とか思ったけどさ、確かに世界でも関与してなきゃそんなこと本来あり得ないのか……

納得した上でこちらに残れってことなのか、向こうに帰っていいよってことのか

まぁ、その辺はわからないけど


「望月は、家族と話すことができなかったら向こうに帰っていた可能性の方が高いんでしょ?」

「うんまぁ、家族恋しいのは違ってないし。」


佐藤うんぬんを置いといても。

萩兄とかとの会話であちらの世界に私がいなくても何事もなく時間が進んでるってわかったし……

ていうか……絶対今帰ったとしても一番の問題として学校のことが出てきそうな気がするんだよなぁ……


「まぁ、こっちに居ても私がいる意味ってあるのかわかんないけど。」

「望月ってむずかしいことを考えてるようで考えてないよね」

「どうあがいても私自身の問題だからね」


……しょうがない、今度電話するとき……あちらの現状を聞くしかない、か。



――私自身がその選択を選んだ時、私はきっと……いや、ほぼ確実に1つを決めたのかもしれない……――



ぽかぽかとした日差しが差し込むいつものリビングみたいなとこ。

私は携帯片手にぼんやりしていた。


……全てはお父さんに聞いたあちらの今現状のこと。


「なんていうか、帰る理由ってホントないんだよねぇ……」


家族に会いたい?……会いたいのは会いたいけど寂しい訳じゃない

友達に会いたい?……1回も心配してくれている様子がなかったらしいけど正直友達っていなかったんだよね……くっ、ボッチじゃないし……

捜索うんぬんはもう電話通じてる時点で私の家族と佐藤の家族は必要性を感じなくなってて。

塩のとこに関しては……塩のお母さんが錯乱というか発狂していろいろと大変らしい。


私にとって一番気になるのは結局佐藤のことだし……

こいつ置いていってもつまんなくなるし、連れてっても佐藤は絶対騎士団のことを気にしそうな気がする


……詰んだ……っていうよりも私、いつから佐藤に対して絶対主義的になったんだ?

そろそろ終わらせる方向性に向かってます

まぁ、脳内で二転三転してるとこですけど

あ、ゼロに現在悪意はありません。

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