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91:こういう失敗もあるよね。

――最近、塩の傍に女の人の影がちらついているようです、というのを魔道士団の人から聞いた。


「……で、なんで俺までこんなとこに居なきゃいけねぇんだよ」

「いいじゃん。今日のお仕事終わったんでしょ?」


現在私達は訓練場から出た塩のあとをつけている。

気分は探偵!って言ったら佐藤にはほぼストーカーじゃねぇかってツッコミを入れらたけどね。

尾行してるだけだから結局どっちでもいいや。


まぁ、それは置いておいて。


「んー……姿くらまし……いや、認識障害に近いのかな?」

「そうだな。それだけあいつは気にしてんだろ。」


私達の言ってることは単純に塩自身が訓練場から離れるほど自分にかけてる魔法の話だ。

塩は最初に気配を薄れさせる感じの魔法をかけ、次第にそれより強い魔法をかけていってる感じで

街につく頃には最初から認識してなかったら気付かないくらいに塩の気配もろもろが限りなく薄くなっていた。


「えーと……マーキングーっと。」

「……おい望月、あの女か?」

「あ、あれだね。ほら、塩が止まった。」


塩と談笑してるらしい女の人は淡い茶色の髪を後頭部分で団子のように一括りしてて金色の瞳をしている不思議な感じの人だった。

ついでにさっきのマーキングはただ単に塩に目印をつけただけだよ!


しばらく談笑をしていた2人は連れだって歩き出していた。

もちろん私達はその後ろを少し離れてついていくけどね。


人混みに紛れるように歩いてく2人、その進む方向にあるのは……確か宿通りだっけ?

いまいち街のどこに何があるのかわかってないけどね。私は。

まぁ、その辺は佐藤の方が把握してるからいいんだよ。


「この先は……」

「どうしたの?佐藤」

「いや……」


私はもちろん知らない。

宿通りでも手前の方は旅行者とかが泊まる宿で、奥に進むにつれ俗に言う男女のあれに使う宿になるらしいってことを。


「あれ、塩達宿に入ったみたい」

「やっぱりなのか……どうすんだ?望月」

「行ってみよー」

「ったく……知らねぇからな。」


佐藤が最後に言った言葉の意味を理解したのは宿の部屋に入ってすぐのことだった。


「さ……佐藤……この宿って……」

「あー……俺達の世界で言えばラブホってやつだな。」

「佐藤知ってたの!?」

「だから言ったろうが……」


私達が入った宿の入り口は普通の受付みたいに見え……いや、それにしては受付のとこ隙間って言った方が当たってるような感じだったけど

それから部屋は自由に選べるようになってて、鍵は中で閉めるだけらしい。

ちなみに料金は休憩で銅5枚。お泊りは1泊で銀3枚らしい。

ついでに言えば休憩で入って延長することは後から追加料金を支払うシステムらしいよ!


とりあえず私達は休憩料金で入ってマーキングを目印にして空いてた隣の部屋に入った訳だけど……

2人で壁に耳をつけて聞き耳を立ててると壁の向こうから僅かに塩の声が聞こえて

その言ってる内容はおぼろげにしか聞こえないけど……塩はあの女の人とはだいぶ親しいみたいで……


ていうかそれからすぐ衣擦れの音と何かが軋む音が聞こえてきたんだけど。


「佐藤さとう、これってあれなの?」

「まぁ、してんだろうなぁ……まだ聞くのか?」

「うぅ……帰りたい……」


でも入ってまだ何分も経ってないし……

そういう宿だっていうならそんなすぐに出たら逆に怪しまれるし……

あぁ、ホント不貞寝したい……

一応城下街だからそういう宿もあるんだよ!って話(違う

もちろん佐藤は精神力強いですよ。えぇ。

果たして佐藤の精神力はいつまで持つか!!

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