89:来訪者カイルとついでに気がかりなシオ
祝100日!……かな?
――あれから私達は互いに自己紹介をした……けど、私の怒りは落ち着いてないからね!
「そうかそうか、モチヅキか。悪かったな。」
カイルさんはホントに悪かったのかと思えるぐらいの表情と態度で笑っていた。
にしても、やっぱりこの前会ったリデルさんとかあの子に似た感じがするなぁ……
そういえばあの子って、なんて名前だったんだろ……
「で、何しに来たんですか?」
「おう、さっきアルんとこ居ただろ?だからちょっと見てみたいなと思ってな。」
「好奇心かこの野郎」
「だから落ち着けって望月……」
なんかすっかり佐藤がツッコミ役っていうかその役どころにいる気がする……
まぁ、私のせいだろうけど!
「おぉ、サトウもいたのか。」
「あんま望月を煽んないでくださいよ……クリアさんは知ってるんすか?」
「うっ……あいつ、すぐ怒んだよ……」
力関係はなんとなくリデルさんの方が強い感じ……なのかな?
ていうか佐藤が微妙に敬語使ってる……あ、一応上司になるからか。
とりあえず帰ってくれないかなーとか思ってたらアル王が来たよ。
「カイル……まったくおぬしは……」
「おうアル。どうした?」
「どうしたではない……というか望月、わしにしたあれはせんのか?」
「あー……うん。めんどくさい。」
多分しても効果なさそうな気がするし。
それからアル王は地味にカイルさんと言い合いをしていて、私達はその横で普通にごはんを食べていた。
今日のごはんはひつまぶしだよ!
……それにしても、塩の様子やっぱりなんか変だよなぁ……
心ここに在らずっていうか、なんていうか?
まぁ、塩もこの世界で言えば立派な大人らしいし、関与する必要もないかな。
「……そんな目をしててもあげないよ。」
「モチヅキのけち。」
だいたいなんであげなきゃいけないのさ。
お城行けば食べるものなんていっぱいあるだろうに。
「……カイル、いい加減にせんか。」
「わかってるよアル。……んじゃ、邪魔したな。」
そう言ってカイルさんはあっさりと帰って行った……けど、正直に言えば闇に溶けていくような感じにいなくなった。っていうほうがあってる気がするんだよね。
「ねぇ、アル王。あの人達ってホントなんなの?」
「あー……リデルとカイルはまぁ、双子のようなものじゃな。」
ようなもの……ねぇ……
まぁ、私もあんまり深く関わりたくないから答えを執拗にねだったりはしないけどね。
多分リデルさん達の正体を知ったらもう私達は抗いようがなくなる……もんね。
正直、私は少し周りに視界を広げる余裕がなかったんだと思う。
だから塩の様子のことだってただ少し変だと思うことしかなかったんだから。
……まぁ、結局私にすれば佐藤ならまだしもという言葉が最初に浮かぶんだけど。
てことでカイルでした。
あ、カイルのフルネームはカイル・フロス・アミノです。
例の子はたぶんまた出てくるので名前は置いておく。
そして次からシオ主体話。(メインとは言ってない)




