10:見学とただの移動。
10日目ー
ある意味騎士団と魔道士団の説明もどき。
お城から出た私とビネガーさんは建物の位置の関係上、最初に来たのは塩がいるらしい魔道士団だった。
「シオ殿なら現在鍛練場にて魔道発動の練習を行っていますよ。」
これは建物の前にいた魔道士の人の言葉。
ビネガーさんが話しかけたらすぐに教えてくれたわけだけど……なんとなく解せぬ……
鍛練場は外から見学することができるスペースもあって、私達はちょっと覗くだけだからそこから見ることにした。
そして、顔を出してすぐに塩を見つけることができた。
あいつもある意味わかりやすいからね。
鍛練場内を一瞬走った閃光、それを発したのは塩らしい。
「ビネガーさん、今の魔法は?」
「おそらく雷光、あるいは閃光ですね。」
「……あれ?でも塩の属性って水じゃなかったけ?」
「あぁ、そのことですか。」
ビネガーさんが言うには、属性というのはあくまで相性が一番いいもののことを指していて
使う術自体は大抵はどの属性も可能、ということらしい。
「へぇ……よし、じゃあ次佐藤のとこ行こう!」
「そうですね。」
そう話してすぐに私達は少し離れたところにある騎士団の建物に来た。
そしてここでも佐藤が鍛練場にいることがわかった。
だいたい似た行動取ってるのかな……?
魔道士団のとこと同じように外から覗けるとこで私達は鍛練場の様子を見ていた。
よく見れば鍛練場の真ん中には佐藤と誰かが光の反射がない剣を持って立っているのが見えて
「ビネガーさん、あの人は?」
「あぁ、彼は騎士団の第3班長ですね。」
「班長?」
佐藤と向かい合っている人はムキムキで、魔法使うのかな?って思いながら観察しているとビネガーさんが班のことも教えてくれた。
曰く、騎士団の中には全部で5つの班があって
第1班は王様を守る人達、第2班はお城を守る人達、第3班は街の入り口にある門とかを守る人達
第4班は1~3の班に時々駆り出される物理専門の人達……つまり魔法が使えない人達が所属する班らしい。
そして第5班が4班と同じく1~3の班に時々駆り出される魔法が仕える人達が所属してる班ということらしい。
ちなみに佐藤は第5班の見習いとして所属してるらしい。
「へぇ……でも佐藤は負けそうだね。」
「そうですね。第3班長はあの見た目なのに速度が異常なんですよ。」
「佐藤にはいい経験ってことか。よし、じゃあビネガーさん私も練習!」
「えぇ、ではこちらにどうぞ。」
さすがに佐藤が打ち負かすとかテンプレすぎてないだろうしね。
私はわたしでやりたいこともあるし……まぁ、いいよね。
そして、私がビネガーさんに連れてこられたのはいくつかの的みたいなものが立っている広場みたいなとこだった。
「ここは元々魔道士団の鍛練場があった場所なんですよ。」
「なるほど移転したんだね。」
その前にお腹すいた……




