第八章
「こっちか・・・。」
樹海の中に入るには、自然公園内の遊歩道を外れればよい・・・。
至って簡単である。自殺の名所として、こんなに簡単に入れるのは問題かもしれない。
しかし、遊歩道の至る所に、自殺者に呼びかける看板が存在する。
『〜ちょっと待て〜君の人生は楽しいか、それとも苦しいか。
世の中は苦しい事ばかりではない。楽しい事も多いはずだ。
人生を楽しく過ごす為にもう一度よく考えよう。必ず何かがあるはずだ。
たった一つの命を大切にしましょう。困ったら下記へ相談を。
○○田村役場自殺防止連絡会 00−0000』
等と…。
しかし、自殺をする者達にはこの立て看板が見えないのか、
はたまた見えていても、確固たる意志をもって入って行くのだろうか・・・。
道沿いには廃車がいくつかある。
この車は不法投棄されたのだろうか・・・
それとも、持ち主が樹海に入ったきり帰って来ないのか・・・。
真実は闇の中だ・・・。
彼は、廃車を横目に樹海へと向かう・・・。
樹海内に突入する彼。
まわりは完全に闇だ・・・。
しかも、異様な臭さがする。
これが『死臭』というものだろうか。
遊歩道がどれだかよく分からない。
明かりなしで置いてきぼりにされたら、普通の人間なら発狂しそうな状況で有る。
「・・・」
そんな事は気にもせず進み続ける彼。




