現実
樹海から帰って来た彼を待っていたのは醜い現実であった・・・。
「君ねー。なんで無断欠勤した分け・・・?」
「す、すいません・・・。」
「辞めるんなら辞めるで良いんだよ?無駄な給料払わなくて良いからね。
君なんていてもいなくても一緒だからね。」
誰からも、必要とされない・・・
「ただいま・・・」
「ああ忙しい。退いてよね。」
母親を彼を押し退き職場に向かう。
「・・・」
父親を彼をチラっと見て、言葉を掛けずに通り過ぎる。
「待ってよママー。学校まで乗せて行ってよー」
弟も、まるで彼を透明人間かの様に無視して学校へ向かう。
家族は彼が帰って来た事についても特に関心を持たないようだ。
いや、そもそも彼が樹海に向かった事も知らないのだろう・・・。
「・・・」
誰からも、愛されない・・・。
部屋に入り掲示板へ繋ぐ彼。
そして書き込みをすると歓喜のレスが返ってくる。
『帰って来たのか!!』
『待ってたんだぞこのヤロー!!』
『俺に無断で死ぬんじゃねーよ・・・』
そして、愛する人からも・・・。
『・・・お帰りなさい・・・』
「みんな・・・。」
彼は涙を流した・・・。
だが、それはあくまでも『掲示板』と言う名の不透明な場所での、
表向きの発言で有った・・・。
実際は正反対の事を思っているのだった・・・。
『なんで帰って来たんだよ・・・』
『うぜー。死ねよ。』
『ゴミが一人減ったぐらいどーって事ねーんだよ。』
そして、愛する人も本心では・・・。
『キモイわ・・・。私またストーカーされるのかしら・・・。
折角、邪魔者がいなくなってルキタンと仲良くやれると思ったのに・・・。』
何も知らずにお礼を言う彼・・・。
「みんな、ありがとう・・・。」
誰からも必要とされない 誰からも愛されない
彼が生きてる世界は天国 それとも地獄?
何故生きるの?幸せなの?
あの時 死んだ方が良かったんじゃない?




