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どこまでも浅い俺と日々  作者: チョココロネ
7/7

問題発生?

「失敗したなあ・・・。」


社会貢献部に入部した日の翌日、木曜日。

時間割を消化し終え、俺は友田に言った通りゴミ拾いの活動を開始しようとしてから、自分の失敗に気付いた。


「まさか、ゴミ袋が見つからないなんて・・・。」


そう俺が今直面している問題はそれだ。

聞き忘れていたことは、今日の朝には分かってはいた。だが、技術員室か第2社会科資料室に在るだろうと高をくくって友田に確認をしなかった。

そして、今この放課後に探し始めて早30分弱。

校舎内の可能性の有りそうな所を一通り周り終え、今にいたる。


「はあ、他に有るとしたら外のゴミ回収所くらいか。頼むから有ってくれよ。」


昇降口で上履きを履き替えて外に出る。

ゴミ回収所と言っても、2つの人1人が入れる程度の大きさのコンテナが在るだけの場所なので、正直可能性は低い。

校舎周りを走るどこかの部活の集団を避け、ゴミ回収所に到着した。


「お?」


そこには先着がいた。

右のコンテナの前で何やらガチャガチャと音を立てている。着ている制服から女生徒だと分かった。

珍しいな今日はゴミ回収の予定がない日だから、技術員すらいないと思ってたんだが。

そんなことを考えながらも、彼女に声をかける。


「あのー、すいません。」


「ひゃい!」


彼女はとても驚いたようで、ビクッと体を震わせて恐る恐るというように振り返った。

少し怯えた顔は保護欲を刺激されるような可愛らしさがあり、肌は白く、より弱々しさを引き立てていた。


「今日はゴミの回収は特になかった筈なんですが、何をなさっているのですか?」


「え、それは、あの、えっと・・・そ、掃除!さっき先生にここを掃除するように頼まれたんです!」


いい言い訳を思い着いた!とばかりに急にまくし立てる。

でも、その言い訳は下手過ぎる。


「ゴミ回収所の掃除は技術員さんの仕事の筈です。その仕事を教師が生徒に頼むとは思えません。」


「そ、そんなこと私に言われても・・・」


そう言って俯き黙ってしまう彼女。

この人が社会貢献部の部員であるかは分からない。

もし、ここであなたは社会貢献部の方ですか?と尋ねて、何ですか、その部活動?となってしまってはならない。ちょっと遠回しに聞いてみるか。


「もしかして、ゴミ袋を取りに来たんですか?」


そう言った途端に彼女はパッと顔を上げた。


「え、あ、あなたもそうなんですか!?」


良かった、通じた。ここに有ったんだなゴミ袋。


「はい。今日が初めてなので、何をどうすればいいのか分かっていなくて。」


「そうなんですか。えっと、ですねえ。」


ガラッとコンテナを開けてくれる。


「ここの2つのコンテナはですね、えっと、隣のに技術員さん用の掃除用具が入ってて、こっちは私たち用に、えっと、ゴミ袋とそっちのトングと名簿が入ってるんです。」


少したどたどしく説明してくれる。

どうやら気は弱いが面倒見のいい人のようだ。

彼女は名簿を手に取り、続ける。


「えっと、まずここに来た時間を名簿の自分の名前の横に書きます。」


彼女は名簿の須藤彩香の横に現在時刻を入れ、元の位置に戻した。

なるほど、彼女は須藤さんか。


「そうしたら、トングとゴミ袋を1つずつ持ってゴミ拾いを始めます。」


トングとゴミ袋を手にして、そう言った。

トングをカチカチ鳴らしながらなのが、また可愛らしい。


「で、終わって戻って来たらまた名簿に終わった時間を入れます。ゴミ袋は縛ってコンテナの前に置いておきます。えっと、そんな感じです。」


「なるほど・・・ありがとうございました、助かりました。」


「い、いえ、そんな大したことじゃ・・・じゃ、じゃあ、私はもう行きますね。」


そういい残し須藤さんは行ってしまった。

さて、大まかにだけど分かったし初の活動を始めようかな。



な、なんて不定期何でしょう・・・

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