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どこまでも浅い俺と日々  作者: チョココロネ
6/7

問題点と部活の詳細

2人になってから直ぐに彼女は話しかけてきた。


「早速、部活についてと君が問題ありと判断された理由を説明していくわね。」


「よろしくお願いします。」


軽く頭を下げ、頼む。

顔を上げると目に入った彼女の表情は若干呆れているように見えた。


「私もあなたと同じ2年よ。だから、敬語は使わなくていいわ。何となくは分かってるんでしょ。」


「まあ、ね。新年度が始まって数週間で教師が新1年生をこんな状況に連れて来るなんて考え難いし、新3年生は受験勉強により熱を入れなきゃいけないこの時期に学校が部活を強いるなんて無いだろうしさ。」


「なかなか考えてるのね。意外だったわ。」


昨日初めて会った奴に考えない阿呆と思われるのは心外だな。言わないけど。


「で、問題点と部活の詳細は?」


「ああ、そうだった。問題点から話すわね。」


彼女の表情が少し真面目になった。

制服のポケットから1枚の紙を取り出した。


「えーっと、先に問題点だけど先生から渡された調査書によると"他人との関係が薄過ぎる"とのこと。クラスメイトとの会話では自分の情報を与えたくないかのように次の授業の範囲や時間割の確認のみ。

体育では、2人組を作る際、普段3人組でいる生徒の1人と組み、その2組で固まって動くことで自分に話を振られないようにしている。極めつけは、予定も決まっていないのに、帰りのHRが終わると誰とも話さず教室を出た。以上のことから判断する。」


ある程度は読み終えたのか彼女は調査書を俺に差し出してきた。


「はい、自分でも目を通しておきたい?」


「いや、いいよ。心当たりのあることしか言われなかったし。」


「そう?なら、部活の詳細に話を移すわよ?」


彼女は調査書を折り畳み、またポケットにしまった。


「ああ、頼む。」


彼女は少し声を明るくし、話し始めた。


「先ずは部活名ね。君に入ってもらうのは《社会貢献部》よ。」


「ふうん。」


とても面倒くさそうな予感がビンビンしてくる名前だと思った。


「この部の活動は名前の通り、社会に貢献するようなこと全般よ。まあ、社会って言っても学校のある地域内の場合がほとんどだけど。」


「貢献って何をするんだ?ゴミ拾いとかか?」


せめてそのレベルであって欲しいと願いつつ聞く。


「ええ。具体的な活動は平日のゴミ拾いと土曜日の近くの保育園の土曜保育のお手伝いよ。それにプラスαが時々あるって感じね。」


「つまり、活動日は日曜日以外の毎日ってことなのか。」


活動日多いな・・・


「いえ、そういうことでもないの。この部の部員は全員性格に問題ありだから保育園とかは1度行ってから園児の反応をみて、向こうの保育士さんが判断するの。」


「なるほど。まあ、当然だな。」


「それにゴミ拾いも最低週3日と決められているだけで曜日の選択と清掃範囲は自由よ。だから、部員が集まるというのも稀ね。」


「うん、大体分かった。ただ、まだ大事なことを聞いてない。」


「何?」


彼女は少し首を傾げる仕草をした。少し可愛らしい。


「いつになれば、またはどれくらい活動すればその部を抜けることが出来るんだ?」


さっさと終わらせて抜けたいとまで言うつもりはないが一応大事なことだ。


「学校生活の中で問題点が改善されたと見なされればだと言っていたわ。だから、これからは学校中の先生があなたの学校生活をチラチラと見るようになると思うわ。」


「そうか、ありがとう。」


ふむ。やることは分かったし、決まった。


「なら、俺は明日から2日ゴミ拾いをしよう。保育園はその恒例の通り今週の土曜日に行けるように予定は開けておく。3日に足りないゴミ拾いの分は日曜日にやるよ。」


今日が水曜日というのがまたギリギリだな。


「あら、君は意外と真面目なのね。別に今日が水曜日なんだから明日、明後日の2日で免除くらいはして貰えると思うわよ?」


「いや、いいよ。こういう新しい活動って最初が肝心だと思ってるからな。自分を甘やかしたくないんだ。」


「そう。」


「じゃあ。」


軽く挨拶をし、帰ろうとドアに向かう。


「ああ、待って。」


慌てた声に呼び止められる。

振り向くと彼女が机にプリントを出していた。


「何だ?まだ何かあったのか?」


彼女の前に戻る。


「ええ。一応、社会貢献部も非公式だけど一般の部活と同じ扱いを受けるから入部届が必要なのよ。親のサインとかは要らないから今書いてもらえるかしら?」


なるほど、部費とかも出てるってことか。


「分かった。」


ササッと必要事項だけ記入する。


「書けたぞ。職員室に持って行けばいいのか?」


「いいえ。部長として私がしっかり石川先生に渡しておくから、もう帰っていいわよ。」


「ああ、お前が部長なんだな。」


顔を彼女に向ける。


「あ、そっか。まだ自己紹介をしてなかったわね。

私は社会貢献部部長の2年5組友田 朱里よ。歓迎するわ、高橋君。」


そう言って彼女は微笑んだ。

その笑顔はとても輝いて見えて、可愛らしいというより綺麗という言葉が似合っていた。

ちょっと行を開けてみました。

読みやすくなったのか、読みにくくなったのか・・・

前者だといいなあ

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