出会い
「ねえ、君。起きてよ。ねえってば。」
肩から揺れを感じて目を開ける。
そこにはこちらを見て肩を揺すっている女子の姿が映った。綺麗に整っている顔は若干怒っているようにも見える。
「なんです?」
取りあえず敬語を使ってコミュニケーションを試みた。
「こんなとこで寝ないで。ここは、一般の生徒は担当の先生に許可を得てから使う所なのよ。」
「そういうあなたは何を?」
「私は先生に頼まれて授業で使うビデオを取りに来てるの。」
「はあ、そうですか。」
カバンを手に取り立ち上がる。
教師にチクられるのは少し困りはするが大したことはない。きっと呼び出しなんかもされないだろう。
資料室を出ようとすると声をかけられたら。
「待ちなさい。」
「まだ何か?」
振り返ると彼女はこちらをじっと見つめていた。
「君はこういうことをよくしているの?」
「ええ。まあ時々ですけど。」
「なんで?」
「なんとなく家に帰ってもなあ、って時があるんです。」
そう答えると彼女は少し考えるような顔をして、また口を開いた。
「そう。もう行っていいわよ。」
このやりとりは意味があったのだろうか。彼女がこのことを報告するかどうかの判断材料でも欲しかったのか。
まあいい、行っていいと言うならさっさと帰ろう。
俺は資料室を後にした。
流石に短すぎるかな。
あと、すごい読みにくそうな文章だというのはわかる。改善しなければ。どうすればいんだろう