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どこまでも浅い俺と日々  作者: チョココロネ
2/7

第2社会科資料室

「きおつけー、れー。」

教師に向け軽く礼をする。

今日1日の授業が終わった。

教室の中はこれからの部活を話題に盛り上がっている。

俺はその賑やかな声を背に教室を後にする。

人でごった返している廊下を抜けて目指すのは、教室がある本校舎とは別棟にある第2社会科資料室である。

そこには4つの長机と椅子、土器のかけら、歴史をテーマにした番組を録画してあるビデオが置いてある。

そのほか授業に使いそうな地図などは第1の方に全てある。

なので、そこには教師すら入ってくることはない。

しかも鍵は開けっ放しなのだ。

俺はそんな社会科資料室で時間を潰すことが日課になっている。

まあただ単純に家に帰るのがやだなあ、という軽い理由なのだが。

弁明しておくが家族に問題があるわけではない。

家に帰っても親が共働きで1人なのでどこで過ごしてもかわらないというだけだ。

さて、今日は本でも読むか。と考えながらドアを開ける。

一番奥にある長机にカバンを置いて本を取り出し座って読み始める。

この本は母の部屋の本棚から適当に取ってきた恋愛小説だ。

「恋愛・・・ねえ。」

思わず呆れにも近い声が漏れてしまう。

この手のテーマのものを見るとどうにも考えてしまう。

恋愛とはなんなのか、という漠然とした疑問についてだ。

恋をしたことがないと言い切れる訳ではない。

中学の頃に気になる女子くらいは俺にだっていた。

でも、その時の俺はその女子に対してアピールするようなことはなかったし、しようともあまり思わなかった。

ただ遠目にその女子が他の女子と会話したりしているのに何気なくチラッと目を向けるだけ。

あれが恋だったのだろうか。

そんな体験があったからこそ考えてしまう。

俺の中で恋愛の行き着く先、つまり終点は結婚して生涯を共にすることである。

だが、中学・高校での彼氏彼女とそのまま付き合って大学を出て結婚した、なんて話はあまり聞かない。

いない訳ではないだろうが、あまり多くはないと俺は思っている。

結婚しないのに相手を愛し、一緒に遊ぶ。

いや、きっと愛するということもどんな感情なのか知らずに異性といる。

まあ、俺も知らないが。

その関係は何の意味を持つのか。

仲のいい友達と何が違うのか。

俺にはそれが分からない。

「はあ。」

何度繰り返したか分からない自問に疲れため息がでた。

「寝ようかな。」

とにかく気分を変えたい気持ちになり、本をカバンに戻す。

「ふぁーあ。」

大きく欠伸をして背もたれに身を預けて俺は昼寝を始めた。

文章の長さってどれくらいがいいんだろうか?

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