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ネクロマンサーに、恋をする  作者: 暁カンナ
躍動 シャイア王国編
18/30

第18話 武闘大会の始まり

 

 

 

上段に構えて木の前に立つ。目を閉じてイメージする、今木の葉が頭の上の枝を離れた。今日は風が凪いでいるため、木の葉はそのままゆらりゆらりと自分の目の前に落ちてくる、もうすぐだ、もうすぐ。

漣は大上段から一気に振り下ろした。下段の残心を取る。木の葉はまっぷたつになっただろうか?


「だぁめだ、だめだ、だめだ。そんなんじゃ、枝一つ落としゃしない。下半身がぶれすぎんだよ。おめえもっと、足腰を鍛えな。」

そう言ってベルンハルトはぷはーっとキセルを吹かした。

「でも先生、俺の中じゃまっぷたつだったんですけど、、、」

漣も負けてはいない。

「おめえの木の葉は、エミリアの姉ちゃんのケツくらいあんだろ。そんでもってバインバインで。」

はぁ~、実際木の葉が舞う秋までにこれが出来るようになれるだろうか?漣は今ひとつ不安に思う。


今漣はベルンハルトの所に世話になっている、いわゆる住み込みの弟子扱いだ。仕事のあるときは、週に2、3回碧の旅団に顔は出すが、基本こちらでの生活が主だった。ちなみに、ベルンハルトの事を師匠ではなく先生と呼んでいるのは、アーロンが漣には師匠みたいな者であった事と、ベルンハルト自体が最初そう呼ぶと、よせやいそんな柄じゃねえと受け付けなかったからだ。


ベルンハルトと言えば当代の剣聖。もちろん弟子希望者は山のようにいた、、、らしい。しかし彼は一切の後継者を取らなかった。彼曰く、「めんどくせぇじゃねえか、そんなの。」らしい。

ところがなぜか、漣は弟子にしてもらえた。もちろん弟弟子のボドウィックの口利きというのもあったとは思うが、それだけなのだろうか?理由はどうあれ、漣はあの剣士に教えてもらえる、それで十分だった。


「ご主人様、レン君、お昼にしましょう。」

エレンが二人を呼びにくる。

「すみませんエレンさん、なんか全部やってもらったみたいで。」

「いえいえ、レンさんの手料理も楽しみですので、またお願いしますね。」


ベルンハルトに師事してひと月以上が経っていた。今季節は文化、農耕の神の月 ジュマ(6月)。漣は日本では誕生月は5月。前月の知恵と医術の神の月 サツキなので16歳になっている。サツキが5月なんて日本と同じ呼び名じゃないかと妙な一致に感心したのを覚えている。


「ところでレンよ、出ろよお前。」

ベルンハルトが言っているのは、ローラン武闘大会の事だった。

ここシャイア王国の首都ローランでは、二年に一度国を挙げての大武闘大会が開かれる。それは法術や弓術と言った遠距離の後衛主体のものはなく、前衛オンリー、体と体でぶつかり合うガチンコバトルのみの大会であった。そこには老若男女の区別は無く、とにかく勝って強ければ賞賛される、そんなガチガチ体育系バトルの世界は絶対自分に似合わないと断っていたのだが、ベルンハルトはどうしても出場させたいらしい。

「エレンが昨日お前の名前で、申し込みしておいたからな。」

突然の爆弾発言に、ゲッとエレンの方を見れば、まあまあとニコニコしている。

は~っ、と肩を落とし諦めるレン。

「でもよう、これは勉強になるぜ。なんせロハでいろんな奴とやれるからな。パワーはある、スピードも申し分無い、おめえの一番の問題は経験不足だ。武闘大会に出て来る奴らは強えぞ。それを生で拝めるんだから、こんないい経験は出来ねえぜ。」


師匠のその言葉に、漣は自分も感じる物はあった。確かに武器を持って戦うという、日本では未曾有な体験をしてから約1年。小さい頃からずっとそう言う生活をしてきた、こちらの武芸者達と渡り合うにはあまりにも短い期間。たとえ筋力や神経の反射スピードにアドバンテージがあったとしても、もとよりそっちの才があると期待していない漣にとって、こういった機会は逃さない方がいいのかもしれない。


「分かりました、そこまで言っていただけるなら出ますよ。でも予選敗退でも知りませんよ。全然自信無いんですから。」

「おめえ、今自分がどんくらい強えか分かんねえだろ?これに出りゃ、分かるぜ。おめえも知りたいだろ?」

ベルンハルトは全く痛い所を付いてくる。まさしくそれは今漣の知りたい事そのものだった。

自分はこの間のような事、いやもっと強い相手が出てきた時、生き残れるのか?皆を守れるのか?

確かに鍛錬は続けてきた。しかし、自分の周りを守れる所に手は届いているのか?


「レン、いる?」

玄関の方で元気な声がする。どうやら、いつものようにエミリアが訪ねてきたようだった。

「エミリア、ファナも。どうしたの?」

「レン、久しぶり。」

エミリアの隣にはファナも立っている。久しぶりって、二日会って無いだけだが。


「どうしたもこうしたも無いわよ。あんた、申し込んだんでしょうね?昨日から受付始まりよ。」

はあっ、とレンはため息を付いた。どうやら先ほどの話と同じらしい。

「あたしは出るわよ。うちは他にも、何人か出る。今年こそ本戦初戦突破を目指すんだから。」

「まあ、あがりなよ。」

よしと腹をくくった連はエミリアも交えて、武闘大会の詳しいことを聞くのであった。


武闘大会本戦は戦いの女神の月 ハツキの10日開幕、後2ヶ月後である。それまで約二週間かけて予選が行われるらしい。

本戦に出場できるのは最終予選を勝ち上がった36名と前年の1~3位のシード選手3名。

本戦出場者はABC3ブロックに分けられ、各ブロックに予選を勝ち上がって来た12名とシード選手1人が振り分けられる。


予選勝ち上がり組12名が1回戦で6名に、2回戦で3名になった所で、シードは本戦3回戦より参加。3回戦はシードを含めた4名で争われる。上位勝ち残り2名が決勝トーナメントに出場。

6名でトーナメントを組み、決勝戦、2位決定戦を行うようだ。


「予選にはどのくらいの人が出るの?」

「そうね、年にもよって違うけどある程度推薦ともいるから、100~150人くらいかしら。とにかく、2回勝てば本戦出場よ。今年は絶対本戦2回戦には進むわ。」

エミリアの中ではそこまでは決定のようである。

「ファナは後衛だから、出れないね。」

「あたしは観るの専門。美味い屋台いっぱい。」

ファナは食う気満々のようだ。あそことあそこというように、指を折りながら何か数えている。

「まあ、祭りだ祭り。楽しめよ。」

「まあまあ。」

いつものお気楽なベルンハルトの後ろでは、エレンがにこにこしている。


「レン、おそらくおめえはいつまでも俺の所にいる訳にはいかねえだろう。だから俺の教えてやれる事は、基本中の基本だ。あとはおめえが努力するしかねえ。せいぜいうちにいる間、詰め込みな。」




その時レンは暖かく柔らかな物の中で窒息死しかかるると言う、この世の物とは思えない天国の中にいた。

「だ~か~ら~、レン、あたしが悪い訳じゃないのよ~。ねえ、あなたもそう思うわよね。」

後頭部をホールドされ、顔を爆乳の谷間に押し付けられ息が出来ないと言う状況から脱しようと、思わずホールドしている腕をたたく。万国共通、ギブアップのサインである。


碧の旅団の団員にして、唯一固定2人パーティー双龍姫を組む才媛の一人、白の法術師のファビオラはもう結構でき上がっていた。

「早くレンをその無駄にでかい脂肪のかたまりから、どかしなよ。」

双龍姫のもう一人、双剣の剣姫イーリスがつめよる。

「私はレンに慰めてもらってるの。悲恋の主人公よ、私は。それに、あんたの固い洗濯岩じゃレンの頭が怪我するじゃない。」

「何が悲恋だ。いつもの様に、お前がしつこすぎてまた振られただけじゃないか。それに洗濯岩って何だよ!!お前、岩で洗濯すんの?」

要は酔っぱらってるうちに、最近又振られたファビオラがレンに管を巻き、人の良い漣がそれを慰めると言ったいつものパターンに落ちていただけなのだが、、、


ようやく窒息死から免れた漣が自分の席に戻ると、そこは冷たい氷河のようで・・・

「この変態、すけべ!!」

「変態。」

いつもの様にエミリアとファナから冷ややかな視線を浴びせられることになる。

「僕は被害者だって。あの人たちにいじられてただけだよ。」

「でも、喜んでたでしょ、すけべ。」

「変態。」

容赦のない二人であった。


今日は武闘大会本戦を二日後に迎えた、壮行会の日であった。

場所はザックの店、ランプ亭。そこに30名ほどの碧の旅団の面々が詰めかけていた。

今回予選を勝ち抜いて運良く本戦に出場するのは、エミリア、漣、ファビオ、そして双龍姫の一人イーリスの4人であった。なんとイーリスは前々回の大会で3位の実力者でもある。


「みんな、聞いてくれ。今回はうちでは4人が出場することになった。予選勝ち上がり組の本戦出場者36名中の4人がうち出身というのは弱小ギルドとしては鼻が高い。みんな、この4人に乾杯だ!!」

そういってボドウィックは杯を掲げる。


ローランの武闘大会といえば大陸一で、帝国兵士からの参加はさすがに少ないが、他の国々からは国の威信を駆けて強豪を送り込んでくるし、各国大手傭兵ギルドからの参加者も多い。確かに50名そこそこの規模のギルドから4名も本戦出場者を出すと言うのは素晴らしい成績であった。


「それと今大会には、公にはされてないが第二王子のレオン様が参加されるらしい。当たったら、ぼっこぼっこにしてやれよ。」

そう言ってワハハと笑う。レオン王子は結構武闘家でならしているらしい。今大会もずるをせず予選勝ち上がり組らしく、そう言った所は好感が持てた。


漣も後から参加者の履歴を聞いて、二つ名を持つエミリアはともかく、自分が良く残れたと思う。それよりも受付の段階で、書類選考で落とされなかった物だと感心したが、そこはやはりベルンハルトの御威光だろう。エレンさんに感謝である。

ここまで来たらかえって何かわくわくしてくるのは、自分にも傭兵としての自覚が出てきたのだろうか?ベルンハルトにもさんざん言われているし、なんだか明後日からの事が楽しみになって来た漣であった。


「あんた、何にやにやしてるの?何か思い出し笑いしてるみたい。もしかしたら、さっきの?エッチ!!」

「変態。」

「ちっ違うよ!!」

なににせよ、今晩は分が悪いようだ。




大会初日の前日は、ベルンハルトのところで軽く汗を流しただけで比較的ゆっくりと過ごした漣は、十分な睡眠を取って当日の朝を迎えた。といっても、今日は漣の出場する試合はない。今日は碧の旅団からはAブロックのエミリアとファビオが出場。Bブロック後半のイーリスとCブロックの漣は明日である。

今日はエミリアが念願の初戦突破なるかどうかの、大切な試合を見に行かねばならなかった。


「エミリア、調子はどう?」

ギルドの入り口のドアを開けると、準備万端整えたエミリアがいた。

「見てなさいよ、絶対勝ってやるから。」

エミリアの相手はアデルモと言う片手剣の使い手らしい。この大会では相手の使う得物は公開されているがその履歴までは教えられていない。しかしそこは蛇の道はなんとやら、ギルド間の情報網で聖王国の傭兵出身のようだと言うことは分かっている。

「さあ、いくわよ。」

エミリアを先頭に、漣とファナはギルドハウスを出た。


闘技場に着く。東京ドームと比べるとやはりだいぶ小さいがそれでもこの世界の建物としては非常に大きい方であろう。数千人ははいると思われる観客席。、その観客席から見ると試合会場は結構小さく見える。

「じゃあ、あたしは行くわ。応援よろしくね。」

「エミリアがんばって。それから、絶対怪我はするなよ。」

「うん、がんばって。」

そう言うファナの手にはもう既に屋台の串が握られている。

「当たり前じゃない。それに治癒術師はそろってるから大丈夫よ。」

そう言ってエミリアは出場者入口に駆けて行った。今大会使用されるのはもちろん刃をつぶした練習用剣だ。大会委員会が用意した共通の武具を用いる。大会ルールはもちろん命を奪うやり取りは禁止。勝敗は、当人の降参宣言、意識の喪失、審判のストップのどれかで決定する。四肢の欠損が生じるような攻撃は原則禁止だが、正直な所何が起こるかは分からないとこもある。治癒法術師は当然大会側が用意しており、試合終了時に双方に掛けられる。


エミリアの出場は第3試合だった。

細いレイピアを腰に差したエミリアが、会場中央に出てくるとあちこちから声援が飛ぶ。それは男からだけではなく、なぜか黄色い声援も飛び交っていた。

「エミリアさ~ん。」

すぐ横から聞いたような声がして振り向くと見知った顔がいる。その横にはむっとしたサンドライン傭兵団のアローラの姿もあった。


「ファナ、あれって、、、」

「アレクシスはエミリアが好き。アローラはアレクシスが好きで、エミリアが嫌い。」

サンドラインのアレクシスが何かハンカチのような物を振っていた。

「あいつも確か出るって誰か言ってたな?」

「Bブロック後半。明日のはず。でもサンドラインからも6人ほど出る。」

さすがシャロン王国一の規模を誇るギルドだけあり、出場する人数も多いようである。今日も誰か出るのだろう。しかしそれがなくてもアレクシスは、エミリアの応援に来ていそうだ。


やがて試合が始まった。


「さあ、本日の第3試合、言ってみればこれが本日のメインイベントか?このローランの精鋭、碧の旅団に属する死突の鬼姫ことエミリア嬢だ。あの死突の剣姫カサンドラ・ビアンキーニの愛弟子にして、師匠をしのぐ爆乳!!しかしその操るレイピアは誰の目にも留まらない!!」

「対するは聖エルランジェ王国誇る傭兵団、純白の軍団一押しの片手剣使いアデルモだ。今まで数々の盗賊を屠ってきたその剣筋は果たして死突の鬼姫を沈めることができるのか?それでは、始まるぞ!!」


やけにテンションの高いアナウンスが終わると同時に、両者は激突した。アデルモの方はエミリアのレイピアを確実に左手で持つシールドで防ぎながら、右手で反撃の機会をうかがっている。しかしエミリアも、時折出る相手の剣戟をうまく躱して、まだ一太刀も当たっていない。スピードではエミリア、パワーではアデルモか?


今舞台は少しこう着状態に陥り、両者は中央でにらみ合っている。何か言葉の応酬があるかもしれないが、ここではもちろんそれは聞こえない。

再びエミリアが仕掛けるも、アデルモはうまくシールドで躱して行く。エミリアの突きもいくつかは入っているようだが、決定的な一撃とはほど遠い。

対してアデルモも時折シールドから出て片手剣を振るうが、エミリアは剣にレイピアを斜めに当てうまく勢いを殺している。


「エミリア、焦らなければいいんだけど。大丈夫かな?相手の方が、力はあるよね。」

「う~、多分大丈夫。あれくらいの相手、いつもやってる。レンにいつも焦らされてるから、慣れてる。」

後半はよくわからなかったが、ファナの見立てではどうやら希望はありそうだ。


再びこう着状態に陥った後、今度はアデルモが仕掛けた。

シールドを前に体ごと押し込んで行く。どうやら力技で行くと決めたようだ。これにまともに当たると、体重の軽いエミリアはちょっと不利だ。

漣がそう思ったとき、エミリアは当たる直前うまく体を沈み込ませ、相手のシールドの死角をついてうまく足をかけた。それに相手がかかり、前につんのめった所を体を反転して立ち上がり相手に駆け寄ると、シールドを遠くへと蹴り飛ばした。

そして起き上がろうとする相手ののど元に、レイピアを突き出した。

勝負あったようだ。


「勝った~、勝ったのはエミリア嬢だ!!見事相手のシールドを蹴り飛ばして首筋に一撃を入れた!!見事な勝利です。」

エミリアがうれしそうに手を振っている。こっちをみたような気もするが遠くてよくわからない。

「やった!!やったよ、ファナ。エミリアが、勝った!!」

「うん、凄い。よくやった。」

これでとりあえずエミリアは目標にしていた初戦突破を果たした訳だ。

「次は誰と当たるのかな?」

「トーナメント表で行くと、ガスパール。第一試合の勝者。強い。」

漣は記憶をかき回してみた。確か双剣使い、割とあっさり試合を決めた人だ。となるとかなりの使い手か。


そうこうしているうちにエミリアが帰って来た。

「レン、ファナ!!勝った!!」

そう言ってレンに飛び込んでくる。レンも頭を抱きしめ、ぐりぐりと撫ぜてやる。廻りの人達も、第三試合の勝者エミリアだと分かると、次々に集まって来て、

「よくやった!!おめでとう。」

「かっこ良かったぞ、嬢ちゃん!!」

「腹減ったろ、ほらこれ食え。」

とか言いながら、色んなものをくれた。主にそれらはファナの手に渡り、既にもぐもぐやっている。

「エミリアさん、おめでとうございます。」

当然のことながら、アレックスもやって来た。後ろにはぶすっとしたアローラもいる。


「アレックス、ありがとう。あなたもがんばってね。」

「はい、僕は明日ですが、ありがとうございます。」

いつもはうっとうしがるエミリアも、今日ばかりは機嫌が良いようだ。

「お前、お前も明日出るらしいな。せいぜい初戦で無様な負け方をすることだな。」

いわゆるやられ役の典型的な悪態をついて、アレックスたちは元の席に戻って行った。


「なんだ?あいつ。相変わらずのぼっちゃん仕様だな。」

「レン、雑魚はほっとく。」

「ねえねえ、それより次、ファビオが出るわよ。」


次はおなじ碧の旅団で副団長を務める、ファビオの出番のようだ。彼はボドウィックの片腕を務め、冷静沈着。ギルドでもあまり笑っているのを見かけない、豪胆磊落なボドウィックとは対照的な人物であった。しかし片手剣を扱わせたら旅団の中でもトップクラスと聞いたことがある。


試合が始まった。対戦相手は同じ片手剣使い。開始と同時に攻めてくる相手をうまくシールドで躱していると思ったら、次の瞬間相手の剣は宙を舞っていた。あっという間の決着である。

「まあ、あんな雑魚じゃファビオの相手にもならないわね。」

「帰ろう。」


ファナが裾を掴んで引っ張ってくる。まあもう、うちのギルドの者は出る事もないし、ここにいる理由もない。決勝トーナメントならともかく、本選を全部見るなんてことはごめん下げだった。アレックスたちはまだ同じギルドの選手がいるのか、動こうとはしていない。

「ああ、なにか屋台でも廻ろうか?」 

「あたしもおなか空いちゃった。何か食べに行こう。」

「ん。」

さっき周りの人達にいっぱいもらったはずのファナが真っ先に行こうとする。

「ちょっと、待ってよ。ファナ、エミリア。」

こうして漣たちの初日はいい結果と共に幕を閉じた。







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