プロローグ〜神童克魔の独り言〜
科学と幻想好きの俺!というわけでSF小説です。まあ、無駄に「ソレっぽい」ですが、勘弁して下さい。とりあえず、感想いただけたらうれしいです。つまり、まずは読んでいただけたらよいのですが……。
ただ生きてる。
ただ息てる。
そんな感覚に囚われた人々。
俺の世界は、死人にも劣るような、そんな腐れ野郎達で溢れかえってる。
十五年前、そう『シャングリラ』が完成したあの時までは、そんな事はなかった。
三十年前の悲劇、世界を荒廃させたジゴクモンの開放以来、ニンゲンは今まで以上に力強く生きてきた。
食糧にも不自由し、倒壊寸前の瓦礫と化したビル群が残るのみの都市跡に、テントやら段ボールやらで簡易住居を構え、わずかに残った『生きた土』をかき集めて、今世紀最大の発明、奇跡の具現とまで言わしめたドリームビーズを栽培して食糧にする。
そんな世界に俺、神童克魔は生を受けた。
だけど、あれは俺が十歳の時だった。
この都市跡に、一晩にしてビルが出現していた。
ビルは、あっと言う間に周囲を緑溢れる大地に変え、その大地を人々はシャングリラと呼んだ。
そして、シャングリラには六つのビルが円形に立ち並び、大人はビルの中へと向かい、生きるのに必要のない物を作り、子供達は生きるのに必要のない知識を学ぶために、やはりビルの中に向かった。
こうして、わずか五百万人の全人類は三十年前以前の記録にあるような無駄ばかりの生活に戻った。
だけど、俺は戻らない。
いや、戻らなかった。
それも違う、戻れなかった。
そう、当時わずか十歳だった俺は、ニンゲン達を生かすため、自分が生きるため戦う戦士に選ばれた。
そして、俺はシャングリラの大人達に聞かされた。
ジゴクモンと呼ばれる門が開いたということ。
その門の彼方より俺たちの世界を目指し飛んでくる敵意が存在することを。
奴らは、今年この星に訪れる。
戦闘力、個体数、その他諸々すべてが謎の敵『オーガ』。
こちらの戦力は、シャングリラが有する『アーク』と呼ばれる十二機の人型兵器。
無謀としか思えない戦いに俺たちは身を投じてゆく。
とりあえず、世界観説明。語りは主人公神童克魔!こいつ物々しい名前してんなあ!と思われる方も多いことでしょう。いや、その前にそんなに読んでいただけるのか不安ですが……。そう、分かってる方もおられると思いますが、神の童、魔に克つ男、ソレが神童克魔!でも性格はなんか斜め気味です……汗。可愛がってやって下さい。