表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

子供を辞めた日

作者: 代行
掲載日:2011/06/12

 冬の夜は乾いていた。私は湿っていた。身も心も。

 私は一際明るい自販機に、さっきから握っていた初めての報酬を入れた。自販機は私の一万円札をすぐに吐き出した、「腐っている」と言わんばかりに。うぜえ、機械の癖に。

 財布を開いて小銭を入れた。このお金はちゃんと飲み込んだ。コーヒーのボタンを押す、ゴトと缶が落ちる。その音で一緒に何かが落ちた気がした。

 一緒だ。私はこの缶と一緒だ。私は今日、この缶コーヒーと変わりが無い物に成り下がったのだ。ただ外に出たくて、酸化したくて、価値もわからないままに自分を売ったのだ。

 缶を掴む。熱い。生まれたての熱だ。この缶が私なら、自販機は母さんかな、それとも父親なのかな。どちらにしても私には似合わない明るさだと思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 最期の二行がとても素敵です。 たった二行でここまでインパクトを与えることができるのは凄いです。 そしてタイトルも素敵です。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ