TURN1 メエの期末テスト1
「生徒会ならみんなで助け合っていくべきだよね!」
『……』
生徒会の仕事をこなしている時にいきなりメエがそんなことを言い出した。
「会長は仕事をしなくてもいいんですよ。」
「いや、そうじゃなくてね……」
メエにしては珍しく歯切れが悪い。ちなみに、俺は何を言いたいのかわかってる。
「ほらさ。みんなで努力をすることに意味があってしなくてとか……」
「?ゼロ、会長が何が言いたいのかわかるか?」
「ヒントは今日からなんでしょう?」
「今日から?」
「はいはーい!!ハルちゃんわかちゃったよ!!テスト期間だね!!」
そこまで聞いて全員が、なるほど、といった感じでメエを見た。
「じゃあ、今日の仕事はなしにして勉強会にしますか」。
ということで、勉強会という名のメエのテスト対策が始まった。
「最初は国語。これはやっぱりラブかな。」
「はい。」
「じゃあ、メエに国語の解きかたを……」
「ボクはどっちでもいいけど、みんながやりたいって言うから仕方なく……」
「はいはい、みんなに教えてくれ、ラブ。」
「はい。」
めんどくさいが、正直、本気でメエの成績はやばいだろうからここで手をうっておくのも悪くない。でも、めんどくさい。
「国語っていうのは意外と簡単なんです。一人称の小説ならその一人称の視点キャラの考え方がすべてになってきますし、三人称なら作者やスポットを当てられた個人のキャラがどう感じているかが答えになります。」
おお!意外と本格的だ。
「うーん、なんとなくはわかったけど具体的にはどうすればいいの?」
「簡単な例題を多く解いてみましょう。」
確かに国語は何度もやることで確実に力になっていく科目だからな。
「では、この生○会の一存……」
「ちょっと待て。」
「あの、何かおかしいことでも?」
「そうだよ、ゼロ!僕に教えてくれようとしてくれてるのに何で邪魔するのさ。」
さっき全員に教えるっていったばっかだぞ。
「とにかくその本はだめだ。著作権的意味でも問題を作る的な意味でも。」
「?だめなの?」
「ライトノベルは一人称ならほとんどの感情を説明してしまっているから問題を作っても小学生レベルが関の山なんだ。三人称でも『~~そうな』みたいな風にしてほとんど説明してしまっているからな。」
「メエちゃんぐらいにはこれくらいがぴったりだったと思ったんですけどやっぱり簡単すぎますか。ならちょっとだけレベルアップして灼○のシャナで……」
「ライトノベルから抜け出せ!!」
とりあえずみんなで落ち着いた。
「でも私が問題を作るとなると簡単な文章じゃないと難しいですよ。」
……確かに考えてみるとそうなんだよな。聞いた話だとラブはプロだが特別な技術を持っているわけではなくてセンスでうまく新人賞にあたったらしい。たぶん国語が得意なのも努力の結果だろう。まあ、完ぺきな問題なんて作者以外が作れるわけが……ん?作者?
「そうだ。ラブの書いた小説で問題は作れないのか?」
「えっ!?私の小説ですか!?」
「さすがに自分の描いた作品でキャラや自分の心情が分からないってことはないだろ?」
「うーん……」
やっぱり恥ずかしがり屋のラブに自分の小説で問題を作れなんて……
「わかりました。やってみます。」
「いいのか?」
「はい。ちょっと待っててください。」
そう言ってラブは奥部屋に入って行った。
どうも、こんなん書いてるくらいなら本編書け、作者のヒッキーです。
ここでは作者のくだらない裏話を本編キャラクターをゲストに呼びながらしたいと思います。