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第13話
ナディアは軽く頭を振ると、ゆっくりを身を起こした。
急斜面に落ちそうになったレナータを助けようとして、自分も一緒に落ちてしまったことは理解していた。
自分が落ちてきた場所を見上げるが、傾斜が急すぎて登るのは困難だと判断する。
小さな体に雨が容赦なく降り注ぐ。このまま雨に打たれ続ければ体が冷えてしまい、必要以上に体力を奪われてしまう。それは隣で倒れているレナータも同じだろう。
スンッと鼻を鳴らして周囲の匂いを嗅ぐと、嗅ぎ慣れた獣臭が鼻孔を突き抜けていく。
ナディアは眉間に皺を寄せると、気を失っているレナータを抱き起こし、運良く見つけた岩の窪みに身を寄せた。
丁度岩が大きく窪んでいるため、雨を避けることは出来る。完全に身を隠せる場所ではないが、ないよりはマシだと判断する。それに窪みの奥にある葉や枝は、幸いにも濡れていない。
ナディアは枝や葉を集めると、ドレスを腰辺りまで捲り、腰に巻き付けるように身に着けていた古ぼけたポーチの紐を解いた。




