初めての呪い
「王太子様とは知らず失礼致しました」
「名乗っていないのだからそんなに畏まらないで」
セレスファンは恐縮しながらサティ達に言ってくれた。
「お主達は呪いを無くそうとここを訪ったのだろう、その方法を探しに。では場所を移そうか」
そう言って王が指を鳴らすと次の瞬間サティ達はサロンのような場所に立っていた。
目まぐるしい変化にサティは目が回りそうだった。
「さぁ皆座ってくれ」
王はサティ達に椅子を薦めてくれた。
4人が座るとお茶とお茶菓子がテーブルに並べられ、そして静かな音楽が流れ始めた。
誰かが歌っているようにサティには感じられた。
そこへ一人の男性が現れ王に小箱を渡す。
そして皆が下がっていった。
後に残ったのはサティ達4人と王、そして王太子の6人であった。
小箱を開けると黒い石であった、ただ端っこの方が少し紫色に見える。
「これはファモリア様の心だ」
その名前に4人はそれぞれ反応した。
「君達は500年前の話しを聞いてそれを覚えているだろう、彼女は聖女であった。王の娘と産まれてこの国の宝とも言える聖女であったのに、あんな運命を背負わされた。通常聖女は人を憎む事など出来ない存在なのだ」
王は滔々と話しだした。
「それが人を憎む事になる様な出来事などそうそう無い。其方達の祖国はその為に消えた」
その言葉にダミアンが反論する。
「そっそれは!地図上から消えたと言うことですか?」
「いや⋯⋯世界からだ」
「ですが、私達は生きております」
ダミアンの泣きそうな声に王が返した言葉にサティ達は凍りついた。
「そうだな、それが⋯⋯呪いだ」
それが呪い?
どういうことだろう、呪われているのはリオンだ。
そう聞いているし、実際にサティはそんなリオンの呪いを和らげる役目だった。
「こう言えば良いかな、君たちが普通に過ごす為に呪いを代わって受ける形代が存在している」
「では!私達が生活できるのはリオンが呪いを受けていてくれるからということですか?」
「あぁそういう事だ、それでも呪いを解くか?」
「呪いが解ければ如何なるのですか?」
レオナードの問いに王が一息「ふぅ」と深呼吸をして答えた。
「さぁ?わからん」
「「「「!!!」」」」
王の答えは意外だった。
ユーファミアに来れば何もかも解るのだろうと予測していたのに、この答えはどういう事だろう、皆がそう思った時、王太子から次の言葉は発せられた。
「闇を纏った聖女の呪いは初めてのことなのですよ」
セレスファンの言葉は4人のそしてレオナードの心を抉った。




