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間違えたのなら正しましょう  作者: maruko
第三章 ままならぬ恐怖

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食事と買い物を終えお薦めの宿屋に向かう。

ギルドよりも少し遠いところにあるその宿屋は4部屋しかない宿屋だが、かなり評判が良いと聞いた。

客が少ない分、(もてな)しが丁寧なのだとか。

旅の始まりに3人で話したのは一部屋を共有しようと云うことだった。


ダミアンが一人しかいない状態で何かあった時に必ずサティを優先する、それがダミアンの仕事なのだから当然と言えば当然なのだが、サティはファミに危険な目に合って欲しくない。

だから一緒にいれば少しでもファミの危険が少なくなると思ったからだった。


宿に落ち着いて服を先に着替えると言うとダミアンが部屋を出た。


「お嬢様やはり無理がありませんか?着替えの度にダミアンが外に出るのが気の毒で、もう一つ部屋を取ったほうが良いのでは」


「そう思うけれど⋯⋯護衛をもう一人雇った方がいいかしら?でも目的地があまりにも遠いからそんなにお金を使いたくないわ」


「それはそうですが⋯旦那様は幾らでも使って良いと仰っていましたよ。ギルドに登録すれば送金も可能になりますし」


サティは旅の始めに自分の個人資産と持参金分を全て宝石と金に変えていた。

本当なら全て金にした方が換金するのには適していたが、金はあまりにも重かったし小分けにはあまり向いていなかった。


だから希少性の高い宝石を小粒で大量に変えた。


オットーの街でそれを一部換金して3人でそれぞれ分けた。

宝石もその時に分けておいた。

万が一逸れてしまう最悪も考えてサティはそうした。


今の所は資金はある。

贅沢をしてもいいかとは思うが、旅が終わった後にサティは国に戻るつもりがない。

その事を考えるとこの旅で全て使い切るわけにはいかなかったし、ましてや父に頼むなどとは考えてもいなかった。


もし頼る事があればダミアンとファミの事についてのみだろうと思っていた。


「護衛の追加はもう少し考えましょう、此処で探さなくてもいいんだし」


「わかりました、お嬢様がいいなら私はそれで大丈夫です」


夕食はこの辺の特産がキノコ類と云うこともあるのかキノコ尽くしだった。


キノコのシチューとソテーは絶品で、ソテーのキノコの大きさに吃驚した。


サティは大きい手のひらサイズのキノコがあるとは初めてしったのだった。


ベッドが2つしかないのでサティとファミがそこで寝て、ダミアンはソファに横になっていた。


この宿のソファは大きめだったのでいいが、今後も必ず大きいとは限らない、サティはやはり部屋は2部屋取るべきかと、思案しながら眠りについた。





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