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間違えたのなら正しましょう  作者: maruko
第二章 王妃の伝承

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ファモリアは途方に暮れた。

この国に来てからファモリアは何一つ自分の意志を尊重してもらえない。


何を言っても無駄な徒労に終わってしまう。

そして子どもたち以外誰もファモリアに心を開いてはくれなかった。


なんとかして祖国に連絡を取れないかと色々画策してみても味方のいないファモリアには難しかった。


離婚を決意してからも数年経ってファモリアの産んだ第一王子ザットライトが10歳になった。


聡明な第一王子だったがファモリアが産んだ事で誰にも相手にされない王子だった。

下の双子のミリーナとファタルーチも同様だった。


王家に生を受けながら母親同様蔑ろにされる子供達をファモリアは不憫でならなかった。


そんな時、隣国より使者がこの国に来訪する。

目的はファモリアだった、何故ならユーフェミア国よりファモリアから嫁いで一度も文が届かない事に不信を抱いた国王が隣国に様子を見てくる様に依頼したからだった。


ファモリアがこの国に来て祖国に出した手紙は一通も届いていなかったのだ。


そしてユーフェミアから送られてくる手紙も一つもファモリアには渡されていなかった。


隣国の使者が立ったことで明らかになった所業。

ザッカーも知らぬ事だった。

画策したのは両親。

マキナーレと侯爵家に忖度した結果だった。


この件で隣国からも不信を抱かれたこの国は窮地に陥る。

益々ファモリアを縛ろうとするザッカーであったが、それを制したのは隣国だった。


このまま離婚できることになったファモリアは喜んだ、そして隣国に感謝した。


そして事件は起きる。


離婚の手続きが終わったその夜ファモリアは拘束される、マキナーレの生んだ王子に毒を盛った咎で。


ファモリアは無実を訴えたがこの国の議会は聞く耳を持たなかった。


ファモリアは処刑が決まる。


処刑の前夜、ファモリアの牢にマキナーレが来た。


「私の婚約者を横取りした罪は重いのよ」


「私は知らなかったの、そしてあなたのお子に毒など盛っていないのよ!」


「そんな事は知ってるわ」


「!」


「いいじゃない、あなたの子供も貴方を待ってるわよ」


「あの子達に何をしたの!隣国の使者様は⋯」


「隣国の使者も可哀想にね、貴方を助けようとしたから邪魔だもの、さっさと処分したわよ、貴方の子供はみんな毒杯、フフッ親子仲良くあの世で暮らしなさい、いくら戦争になったとしても貴方の国は遠すぎる、この国に到着するまでに疲弊するだけだもの、隣国の使者は病死として報告しているから何の問題もないしね」


「あの子達に会わせなさい!」


「会わせてあげるわよ、だから此処に来たのだもの、お別れの挨拶でもしたら?でも明日会うのにね、あの世で」


それから3人の子供の亡骸がファモリアの牢に入れられてくる。


亡骸に伏して泣き叫ぶファモリアを一瞥してマキナーレは去っていった。


「許さない、絶対に許さない」


聖女が闇を手に入れた瞬間だった。

その夜一晩中、子供達の亡骸と共に呪いを呟くファモリア。


そして次の日彼女は衆人の中処刑された。



ここまでお読み頂きありがとうございます。

次回もよろしくお願いします。


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