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異世界だろうがソロキャンだろう!? one more camp! 【 完結】  作者: ちゃりネコ
第一部 一章 遭難と書いてソロキャンと読もう!
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命の重さ

「ごめんな、でも無駄にはしないから…」


 竹の先端にナイフをくくりつけ、離れた位置から猪の心臓を貫くと足を痙攣けいれんさせた後、体を硬直させて最後の息を吐き出す。


 手元に伝わる鼓動。

 傷口から流れる鮮血。

 次第に薄れゆく生気。


 それら全てが命を頂く為に通らなければならない道であり、生きている者は常に、犠牲になった物に対して最大限の敬意を払わなければならない。


「うむ、決して忘れてはならんぞ」


 役目を終えようとしている命を前に、初音は神妙な面持ちで語りかけた。

 その容姿からは想像できなかったが、俺よりもずっと明確な死生観を持っている事に対して素直に驚く。

 鬼属きぞくは人間よりも遥かに長命である分、命について考える時間も多いのだろうか…。

 初めて大型の生物を手に掛けた事で新しい価値観を得た一方、それまで考えもしなかった自分に引け目を感じてしまう。

 そんな風に思いを巡らせていたからだろう、足元でギンレイが吠えている事にようやく気付いた。


「ギンレイ! 良かった…無事か」


 幸いな事に大きな怪我はなく、代わりに逃げている際に転んだのか身体中が泥だらけだ。


「可哀想に、よしよし帰ったら…おお!

 思い出したぞ、風呂じゃ!

あしなよ、今から風呂釜を作るつもりか?」


 やっぱり覚えてました?

 色々あったので忘れてくれてると助かったんだがな。

 だけど今日は肉体だけでなく、精神的にも随分疲れてしまった。

 こんな日は久しぶりの風呂でサッパリするのも悪くないだろう。


「あぁ、それについては任せろ。

 ちゃんと用意してやるよ」


「本当か~? まぁ、お主は意外と頼りになる事があるからの。楽しみにしておくぞ」


 評価が高いのか低いのか分からんのは置いとくとして、問題はこの猪だな。

 さて、どうやって持ち帰ればいいのやら見当もつかない。

 頭を悩ませていると初音が無造作に後ろ足を掴み、そのまま引きずっていく様子を見て、最初から彼女に任せれば命をける必要もなかったのだと思い知り、再び腰が砕けそうになったがギリギリ踏ん張った。

 偉いぞ、俺。


 道すがら近くの河原で猪の解体を行い、痛みが早い内臓を取り出す。

 どうにか作業を終えると日が傾きつつあったが、帰る道すがら初音と色々話す機会を得た。

 どうやらホームから歩いて3日程の所に人里があるそうで、かなりの賑わいらしい。

 そこなら必要な物を手に入れたり、場合によっては元の世界に帰る糸口が得られるかもしれない。

 貴重な情報によってまた一つ前進したと考えたいが、流石に今日は疲れ過ぎた。

 最高の猪肉が手に入った事だし、今夜は豪勢な食事と風呂で疲れを癒そう。


 見れば2人と1匹の影は長く伸び続け、一足でも早く帰路へ着こうと誘うようであった。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

ここまでのAwazonポイント収支


『現在地を把握――10000P』

『ハエトリカグラを採取――1000P』

『シマメノウ石を採取――1000P』

『発泡軽石を採取――1000P』

『ラセンタケを採取――1000P』

『ツクスギナを採取――1000P』

『ハトマメムギを採取――1000P』

『サンシュウショウを採取――1000P』

『カドデバナを採取――1000P』

『ヒノモトイノシシを狩猟――50000P』


 以下を購入


『防犯ブザー――1000ポイント』


 現在のAwazonポイント――390,900P

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