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異世界だろうがソロキャンだろう!? one more camp! 【 完結】  作者: ちゃりネコ
第二部 一章 この人数でもソロキャンと言いきる勇気編
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Awazonからの贈り物

 初音は別世界の乗り物を夢中でイジリ回し、初めて嗅ぐ匂いに目を丸くするギンレイを前に、あれやこれやと自身の考察を披露する。


「あしな、あしな!

 また『あわじょん』で珍妙な物を買うたのう!」


「いや、これは……まぁ…なんだ……。

 レイホウシンロクを狩猟した事で、俺もキャンパーレベルがアップしたと言うか……なんか、そんな感じだ」


 我ながらテキトー過ぎる理由付け。

 こんなんで納得してくれるだろうか?


「れべるあっぷ! すごいぞ、あしな!」


 アッハイ……。

 もう、これで押し通すしかないんや……。

 若干の目まいを感じつつ、納車仕立てのバギーに乗ってみるが中々良い。

 バイクよりも安定感があるが、搭載されたエンジンは乗用車よりもずっと小さい。

 随分前にキャンプ場に併設されたレジャー施設で乗った事があるけど、その時もミニカーを操作しているような感覚だった。

 まさか、こうして異世界で再び乗る機会が巡ってくるとは…。


「ライトにクラクション、ウィンカー。

 必要な物は一通り揃ってるみたいだ。

 ……ところで君は何しているんだ?」


 見れば初音が後部座席に乗り込んでいる。

 いや、二人乗りは可能みたいだけど、君には恐怖心とかないの?


「ここに乗ってどうするんじゃ?

 なんだか馬みたいじゃのう」


 ギンレイも俺達が列をなしてバギーに座る姿に興奮しているのか、周りを走りまくっている。

 収拾がつかない事態に戸惑っていると、意外にも飯綱いずなが助け舟を出してくれた。


「…ちょいと近場を走ってきたらどうだ?

 今の内に必要なモンがありゃあ調達しとけ」


「あ、あぁ…それもそうだな」


 飯綱いずなの言う通り、サイダーを量産する上で発泡石を調達しておく必要があった。

 近場の採取場所は歩いて一時間程だが、バギーならば大した距離ではないだろう。

 採取も兼ねて、ちょっと試走してみるか。


「動かしてみるから掴まってろよ。

 大丈夫だと思うが、間違っても俺の胴体を握り潰すんじゃないぞ?」


「動く!? こいつは生きておるのか!!」


 どう説明するべきか全く思い付かないが、かく、動かせば分かってもらえると思う。

 キックスターターのペダルを踏み込むと一発でエンジンが回り、鼓動を思わせる振動と共に、マフラーから白煙が舞う。


「…………!!」


 初音は驚きで声も出ない様子。

 俺も胴体が無事で安心する。

 ギンレイは突然の事に驚き、ホームへ向けて逃げてしまった。

 ゆっくりアクセルグリップを開けると徐々に車体は前へと進み、次第にタイヤは与えられたエネルギーを大地に刻みつける。


「昼食までには戻る」


 手短に帰宅する時間帯だけを伝え、アクセル全開でホームを後にする。

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