お祓いは逆効果
最近、部屋に何かがいるような違和感があった。O子は大学生になり、一人暮らしを始めたばかりだが、なんか怖い。
今夜は金縛りにもあった。手首や足首に痣のようなものも残っており、余計に怖い。
これはお祓いをするべきか。神社に行こうとしていたが、友人のG子に止められた。
「神社のお祓いはね、悪霊が悪霊を追い払っているだけ。ジャイアンがスネ夫に命令しているだけだから」
「えー?」
「いい? 霊的なものにもヒエラルキーがあるのよ」
そこでG子はピラミッド型のイラストを書いた。底辺に悪霊、中間部に悪魔、トップに神様と思われるイラストもあったが。
「霊的世界は、こんな順序ね」
「ちなみに人間は?」
なぜかG子はオカルト女子のようで、何だか詳しそうなのだが。
「残念ながら、このピラミッドより底辺の底辺にいる。肉体を持っている事は制限されているからね」
「そんな」
「絶望しないで。要はこの神様を味方にすればオッケーじゃん? まあ、部屋にいる雑魚悪霊ぐらいだったら、私が払おう」
「えー?」
信じられないが、神社に行く気もうせた。G子を部屋に呼ぶと、なぜかキリスト教の主の祈りをしていた。あのピラミッドの神って、あの神様?
歴史の教科書のキリスト教のイメージが先行し、どうにも分からないのだが、G子はこう言った。
「イエスの御名で、でてけ!」
映画のエクソシストみたいだが、聖水やロザリオも何も使っていない。
確かに意味がわからないが、この瞬間、部屋の雰囲気がパッと変わった。黒い影のようなものが消えたように見えたが、気のせい?
実際、部屋の違和感は消えた。金縛りも消えたが、どういう事かさっぱりわからない。ちなみのG子はあの祈りは、未信者がやっても逆効果になりやすいから、真似しないように注意されていた。G子は牧師の娘だったが、いわゆるエクソシストという存在なのか?
よくわからないが、神社や寺などに行かなくてよかったとは思う。何かお金取られそうだし、部屋に護符とかも置きたくはない。
「まあ、深く考えてもわからないか。とりあえず、金縛りがなくなった事に感謝しよう」
こうしてO子は目を閉じ、今夜は安心して眠っていた。




