スーパーで半額弁当を買う
R太郎は小説投稿サイトで小説を書いていた。底辺作家だったが、初めてコメントがついていた。とある描写についての批判だった。
「スーパーで半額弁当を買う描写は、節約描写としては不適格! 作者は自炊しろ! 自炊だよ!」
すごい邪推。そしてそれは本筋とは全く関係のない繋ぎ場面の描写なのだが。ちなみに主人公は童貞設定だが、作者のR太郎もそうだと決めつけられた。困ったものだ。作品の主人公=作者な訳ないだろう……。
しかし本当に自炊は節約になるのか? 全く自炊をしていないR太郎だったが、家計簿をつけながら検証してみた。金銭面だけでなく、時間や体力、その他諸々の健康状態も記録。
結果は大差なかった。途中で調味料を買ったり、鍋やフライ返しを購入しているからだろうか。餃子などは完全に買った方が早いくて安い。味噌汁と米、サラダだけ自炊し、プラスしてスーパーの惣菜を買うのがコスパ、タイパ、健康面でも良さそうだ。
そもそも自炊は「やってる感」だけがすごい。大家族ならまだしも、一人暮らしの場合はさほどコスパも良くない。キッチンも狭いのが致命的だ。それに自炊は頭も使う。時間とメンタルに余裕が無いと挫折するポイントが多々ある。調味料、調理用具、食材保存がそのポイントの主なものだろう。予定外の外食や来客、頂きもので予定が狂うと、意外と食品保存も難しい。
一周回ってスーパーで半額弁当を買うのが、総合的に節約になるか。そもそも一日三食は食べすぎという説もある。一食はきつくても、二食ぐらいでも良い。一日二食だったら、半額弁当もさほど高くもない。またファストフードや菓子も辞めれば健康や財布にも優しい。まずはどうでもいい間食を辞める事が節約へのスローステップかもしれない。そうは言ってもたまに飲むスタバは、仕事へのモチベーションアップにもなるんだよな……。
「あれ? 俺は作家志望だよな? なぜこんな事を真剣に検証してたんだ?」
まさに本末転倒。小さなどうでも良い描写にこだわり、全体を見ていない。木を見て森を見ず。それに気づいたR太郎は、こんな検証は辞める事に決め、スーパーに半額弁当を買いに行った。




