放課後
「はい、今日も勉強お疲れ様。気を付けて帰れよー。」
担任の挨拶があり、今日の学校も終わり。
クラスメイトはそれぞれ、帰り支度を始める人や、部活動に行く者。席に座って話し込んでいる人など様々だ。
花音も帰り支度を進め、千佳の席まで近寄る。
「千佳、行くよー」
「おけおけ、どこ行こっか。」
「甘い物食べたくない?お腹すいちゃった。」
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それは、いいアイデアだ!という事で。
放課後は、駅の近くにあるクレープ屋に行き先が決定した。
自分は、苺とアイスと生クリームがトッピングされたクレープで、千佳はチョコとアイスとバナナがトッピングされたクレープ。
2人して、椅子に座り。クレープを頬張りながら話をする。
「千佳は、部活しないの?」
「部活かぁー。強制じゃないしなー。それよりもバイトしたい!」
「バイトは私もするつもりだよ!」
「実は、もう目星つけてるんだよねー!」
バイトは、高校に入ったらしようと思っていた。
部活は、中学生の時もしていなかったので。高校でも入るつもりはない。
千佳も中学生の時に入っていた合唱部を続けるつもりはない様だ。
聞けば、自分と同じ様にバイトをするつもりらしく、今度面接に行くというのだから驚きである。
「どこ受けるの?」
「まだ、秘密!落ちたら言っても意味ないじゃん!受かったら、教えるね!」
そこからは、学校の話。最近の出来事。TVの話で時間は過ぎていく。
そして、芸能人の話をしていた時。思い出した様に千佳が話し出した。
「ねぇ!ねぇ。最近の雑誌見た?ルイかっこいいんだけど!!!」
興奮交じりに話す内容は、千佳が最近良く話題に出すモデルのルイの事だ。
鞄から雑誌を出して、ルイの載ってるページを開いて見せる。
「いやぁ、カッコ良過ぎて。目の保養だわ〜」
「前は、別の芸能人追いかけてたよね?」
千佳のここ最近の、ミーハー事情はルイという、モデルが中心だ。
2年程前から、突然出て来て人気になり、雑誌に偶に出てくるモデルなのだが。年齢も、出身も謎に包まれており。ルイという名前しか情報公開されていない。
そのミステリアスも合わさって、人気になっている要素の一つになっている。
「名前しか、分からないなんて謎だよねー。案外そこら辺にいないかな。居たら、サイン貰っちゃうのに」
千佳の妄想は止まらない、、。
(私、街中で芸能人何て見た事ないよ‥)
その後話の盛り上がりは尽きなかったが、スマホで時間を確認すれば、そろそろ切り上げなければいけない。
「千佳、時間大丈夫?そろそろ帰った方がいいんじゃない?」
家族で夕ご飯を食べに出かけるなら帰った方がいい時間だ。
時刻は、17時3分と表示されていた。