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落し物届けます  作者: 雪飴
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朝の日常

今は、五月中旬。

 四月の入学式も終わり無事に合格した高校のブレザーを着ながら、花音は台所に立っていた。

 

冷蔵庫から卵を出して、目玉焼きを四つ作る。キャベツは、微塵切りにしておいたのを皿に盛り付け、鍋の中の味噌汁も味噌を入れたら完成だ。

 焼き魚の焦げ目もいい感じで、料理に慣れた様子が見て取れる。

 

少女は、背中まである黒髪を結んでいた髪留めを外し時間を確認した。

もうそろそろ弟達を起こしに行かないといけない時間だ。

  朝食の準備を終わらせ、まだ中で寝ているであろう部屋の扉を開けた。


「和樹、智樹起きて!もう準備する時間だよ!」

 声を掛けた二人が動いたのを確かめてから、次に母親を起こしに行く。

 舘倉家の朝は、長女花音が起こす事によって回るのである。

――――――――――――――――――――――――

「お母さん、今日は何時まで?」

四人揃って朝食を囲んだ所で、花音は今日の予定を聞く。

 

「今日は、多分早く帰ってくると思うから智樹のお迎えは、母さんが行くわ。和樹は今日どうするの?」

「今日は、学校終わってから裕也達と遊んでくるよ」

長男の和樹は、小学校四年生。次男の智樹は幼稚園の年長さんだ。

 


 智樹は母の言葉に嬉しそうに笑顔を見せた。普段は母親が仕事で迎えに行けない事が多い為、迎えは花音が代わりに行く事が多い。

 

「花音は偶には、ゆっくり友達と遊んできたら?ご飯も作っておくから」

 母親の言葉に そうしようかなと返事を返す。

父が居ない館倉家では、母親の仕事が忙しく、家の事は基本的に花音の仕事だ。


 洗濯に食事にとやる事が多いので友達と遊ぶことは、普通の女子高生と比べて平均以下並みだろう。

家事が嫌なわけでは無いのだが、友達からよくお前は主婦か。と言われる。

そんな事を考えながら、今日は何をしようかと頭の中で考えた。


 それぞれ、学校に行く準備を終わらせ玄関に向かう。智樹は、既に迎えに来たバスに乗って幼稚園に出発して行った。

 和樹も、集団登校なので班の待ち合わせ場所まで駆けていく。自分も、母親に行って来ますと声を掛けてから玄関を出た。

雲一つ無い晴れの空が気持ち良く、深呼吸をして身体に空気を取り込んだ。こんないい天気の日は洗濯物日和だなぁと思いつつ、学校に向けて歩き出す。


 


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