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プロローグ
初めての小説です。
拙い文章ですが、読んでいただけると幸いです。
「どうしよう‥」
古い木造で出来た一軒家の前で立ち尽くす。
表の通りから外れた、裏道に其処はひっそりと建っていた。昭和の時代にありそうな、例えるなら近所の近くの駄菓子屋のおばあちゃんの家に雰囲気が似ている。
インターホンを鳴らしてみたが、壊れているのか音が鳴らない。
扉を叩いてみても、中から人が出てくる様子は無さそうだ。
スライド式になっている玄関の扉は、少し開いていて鍵は掛かっていないのだろう、平成の時代に不用心だなぁと頭の中で思った。
「確実にこの家の中に入っていったよね‥猫‥」
玄関の少し開いた隙間を見ながら、どうしたものかと溜息を吐いた。
彼女 館倉花音が猫を追いかける状況になったのは、今から数時間前に遡る。