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第1話 生まれた
「うー、だ!」
赤ちゃんだ。
何でか知らんけど、俺は赤ちゃんになっていた。
いや、待て。
ちょっと待とう。
どういう事だ。
とりあえず冷静にあるがままにこの現状を省みてみると……俺は、一歳くらいの赤ちゃんになっていた。
人によっては、幼児と赤ちゃんのどっちで表現するか分かれるところだろうけど、まあ俺にとっては一歳児なんてまだ赤ちゃんって感じかな。
で、俺は正直言ってこんな事になった原因に全く心当たりがない。
元の年齢は十代後半の普通の男子学生だった。
とくに、変わった事をした覚えも、変わった出来事に巻き込まれた記憶もない。
なのに、気が付いたら唐突にこうなっていたのだ。
やばい、何だこれ。
現実なのかよ。
「あぶぶ、だぁ!」