01 お姫様になりました?
事故に合ったとか。
悲しい出来事があったとか。
特にそんな大それたことはなかったと思う。
短大への入学式が終わり、両親と別れ、都会の雰囲気にちょっと浮足立っていた。
「姫様、お目覚めですか!?」
アパートで寝ていたはずなのに、目を開けたら異世界にいた。
※
18歳で転生した先は、長年の病気が悪化し、死にかけていたらしい16歳のお姫様だった。アルディア国という、こちらの世界では中規模の国。私はそこの第一王女、マリアンナ姫。通称マリー。
黒かった髪の毛は、見事なふわふわの銀髪。長年病気だったらしく、身体は細いが、めちゃくちゃ可愛い。流石お姫様。実質3歳ほど違うのに、人種の違いなのか。元の私より胸もある、、、。鏡に向かってちょっと笑ってみた。完璧美少女だ!!恐れ多いよ!!
目が覚めて直ぐは、状況がよく理解出来なかった。最初に声をかけてくれたらしい乳母のナーシャさんも、王様も女王様も、姫様が死の縁から戻ったと思ったらしく、暫くは号泣していた。
比較的落ち着いて接っしてくれた、護衛騎士に真剣に話したら医者を呼ばれ、はじめましての兄達もよばれ、ナーシャさんが来て、最後に事情を聞いたらしい女王様が半泣きで現れ、王様。つまりマリー姫のお父様も静かに泣いていた。この国の宗教を取り仕切っているらしい神官長が、神様のお告げを持ってきたらしい。聞いた、ではなく。こちらの世界ではお告げは協会の中にある水鏡に浮かぶび、神官が書き写すのだと後々知った。
難しい文言はわからなかったが、元々のマリアンナ姫様は病気で天国に行ってしまったらしい。そして、なんの因果かわからないが魂で彷徨っていたらしい私がマリー姫の身体に入ってしまったらしい。え、どうしよう。なんで彷徨っていたか分からないけど申し訳なさすぎる。大切な人が生き延びたと思ったら別人って。
「マリーは、娘は、天国にいけたのですね?」
「まさか、伝承の通りということか。」
女王様が涙をぬぐい、神官長に問いかけた。
お兄さんらしい人は、難しい顔で呟く。
こんなときでも気丈に振る舞うあたりが、王族なんだろうか。
「左様でございます。」
神官長さまが慈愛に満ちた顔で微笑むと、周囲からすすり泣く声がする。そっか。本当にこの人たちの大切な人は死んでしまったのか。そこを間借りしてしまったらしい私、どうしよう。私もこのまま死んだりするのかな。
「取り乱して失礼した。言葉は通じるようだね。」
「はい。えっと、王様。その、よくわかりませんが、すみません。」
「マリーの死は残念だが、魂の寿命である。そなたは気に病んではいけない。伝承がたまたま、マリーで起きたのだ。むしろ王族として、マリーはやり遂げたともいえる。」
伝承?また伝承ときた。
「異世界の魂よ。伝承の通り、どうか王国の平和を祈ってくれないだろうか。」
「へ、平和ですか。はい。平和は、大事です、し?!」
一瞬身体を電気みたいなものがかけていって、あたりが白く光った。一番奥にいた護衛騎士と目があった。地震みたいな小さな揺れがあったあと、部屋は歓喜の声に包まれた。
「ああ、女神様っ。生涯お護りいたします!」
ちょっとかっこいいなって思ったけど、まったくわけがわかりません!!!