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短編小説~大熊&ロボットのジンタイの心理学の勉強

短編~人間関係の難しさ

作者: 猫田蛍雪

 コンピュータプログラムであるならば、どんなコードを書いているか見ると、そのアプリケーションやプログラムがどのように動作するのか分かる。

 一方、人間であるならば、コンピュータプログラムのように決まった動作をしないので、相手とコミュニケーションを通して、人間関係を構築またはキープしなければならない。

 言葉では簡単に言えるが、実際に人間関係とは難しいものである。

 コミュ障であったり、人見知りであったりというわけで、このようなことを書いているわけではない。

 私が感じたことを客観的に書いているだけである。


「すなわち、相手をいじめるという行動は、自分の強さを示すために行われているのです。すなわち、全ての行動には無意味なことなど存在しないのです」

 大熊は、心理学の教科書を音読した。

「それならば、全ての行動には理由があるということですね」

 ロボットのジンタイは大熊にきいた。

「この教科書によるとそのような解釈になるだろう。しかし、人間は時として無意味な行動もしてしまうこともしばしばあるのだ」

「しばしば? 」

 ジンタイは不思議そうに聞き返した。

 大熊は、黒板にイラストと文書を板書すると、説明した。

「例えば、熊くんが何らかのストレスを抱えるとする。熊くんは、そのストレスを何らかのかたちで発散させようとする」

「ふむふむ」

「ストレスの発散法としては、今からある例は望ましいとはいえないが、モノを壊したり、相手を傷つけたりなど熊くんにとっては、ストレスを発散させるという意味のある行動になるかもしれないが、周りからみると・・・・・・ 」

「周りからみると意味のない行動に見えるのですね」

 ジンタイは大熊よりも結論を先に言った。

「その通り。そして、ストレスを発散してから『自分は意味のないことをしてしまった』と後悔してしまうことが多いのだ。それから、どんな行動に意味があるのか、誰が判断するかによって意味があるかどうかが変わってしまうのだ。すなわち、この教科書は作者自身から観察した時の見解となるから教科書としては説明が不十分ということになる」

 大熊は説明を終えた後に、ジンタイから質問がないか聞いた。

「そもそも行動に意味を与えることは、正しいことなのですか? 」

 大熊は、しばらく考えた後に曖昧な回答をした。

「学問的には間違っていないだろう。学ぶ人、研究する人が多いだけ価値観も違うから一つの考え方として捉えるとよいだろう」


終わり


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