風
風が吹く
どこにいくのかな
わたしを渡って行ったこの風が
あなたも渡っていくのかな
そう思っていると
あなたに伝えられなかった言葉が
頭のなかであふれていて
耐えられない
無意識に言葉が
頭からこぼれてあふれて
喉に詰められていて
つらい
どんな言葉を風にのせればいいのか
いや、のせないか
悩んで悩んで
風は情けないと言わんばかりに
さっさと去って行った
私はもう機会なんてないと思って
呼び止めようと
叫んで叫んで
しかし残ったのは
土に染み込んだ
私の涙痕だけだった