表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
負け組非凡の二度死ぬ転生記  作者: フェル・テズマ
第一章:非凡が新たに目覚めた世界
9/98

魔法系スキル

「さて、何がまず必要かのぅ…」


 魔法…魔法ねぇ。俺が聞いた限りだと、魔法はスキルの一種で、そのスキルを得た後はその部分に魔法を登録して初めて使えるようになるってやつだな。それ以外には何も聞いてない。


「む?それだけかの?」


 ああ、それだけだが…


「ふむ…予想以上に何も知らなかった様じゃのぉ。どれ、まずは基礎を更に広げようではないか」


 あ、まだ基礎すら終わってなかったのね。まぁいいや。あの世界を生きるには知恵が必要だ。


「そうじゃの。特に、そなたのような者は…な。生きるで思い出したが、結崎殿の最初にいた村の者たちの魂は全ての記憶を失って、またあの世界に転生しておる。つらい記憶が無いのが幸いだということで、今は納得しておくれ」


 ああ、俺も贅沢は言わない。つらい記憶があるか無いかで人生の価値観って言うのは大きく変わるしな。


「うむ、そうじゃ。さて、話を戻すと、その魔法という枠には、魔法と魔術がある。魔法は結崎殿が知っておるように、物事を脳内で想像し、詠唱を唱え、その出来事が具現化する…。これは今までとなんら変わらん。が、魔術はちがうぞい。魔術は【召喚魔術】、【時間魔術】、【空間魔術】のように、属性などが無い魔法の事をさすのじゃ。この属性というのは、風、火、水、土、光、闇の6種類じゃ。結崎殿の知識を少々見せてもらったが、そなたが考えておる無属性というのが、この魔術の部分と考えてもらってええじゃろう。そして、ここアルーゼンでは無属性という概念がない。それは、適性という概念が魔法に無いからじゃ」


 ほぉ…時間と空間が混ざった時空が無いのは、それは神の領域だから…か?


「そうじゃ。時空神であるベヘルーニャのみが時空魔術を扱える。時と空間の双方を操るにはその二つの概念を極めねばならん。そしてどんな天才であろうとも、その二つの概念を完全に理解するのは無理なのじゃ。現に、魔法神である儂でさえ、全て理解できんのじゃから…」


 なるほど…確かに時間とはなにかとか、空間とかは何かって聞かれたら、論理で答えられない。そもそもその性質そのものを理解しきれない。俺たちが生きるのに最も重要な食べることと並に必要なのが空間と時間だ。が、それは一種の自然現象だ。それを完全に理解するのは無理だ。


「そうじゃ。さて、話がちょいとそれたの。これでまずは理解が一つ増えたかの?」


 ああ、増えた。


「よきかなよきかな…。次じゃ」


 ああ、次行くのはいいけど、一つ疑問に思う事いいか?


「む?なんぞや」


 魔法って登録しないといけないんだろ?どうしてそんな面倒なことするんだ?


「丁度話したかったところじゃな。それは、一子相伝の魔法の為じゃ」


 一子…相伝…。


「如何にも。一子相伝の魔法を編み出すのは長い研鑽の歴史が必要じゃ。そしてそれを受け継ぐのも並の者たちでは無理じゃ。そこで、この登録が役に立つ。長い研鑽の歴史を少しでも残すために、このような形式があるんじゃ。そうすれば、より多くの者がその魔法に触れることが出来る。もちろん、一子相伝じゃからそれぞれの魔法を持つ家の者の道場かなにかに通う必要はあるが、免許皆伝などとなれば引継ぎのも多少は楽であろう」


 まぁな。長い修行に耐えて使えないんじゃ…な。


「因みにこの一子相伝魔法じゃが、ステータスの魔法名の右横に<伝>と付く。これが、一子相伝魔法であることを示しておる」


 へぇ、便利だな。そう聞かれると確かにそういう大事な物を保護するって意味だとこういうのは有難いな。もっとも、そこまで行くのには結構時間がかかりそうだな…


「普通ならそうじゃの。じゃが、そなたの知識の中にかなり強力な物もあるのぉ…これは一子相伝にする前に相談が欲しいの。あまりに協力過ぎてもしもこんなのがこの世界に出来たら…と思うと少々寒気がするのでな」


 え、マジで。え、どんなのだ


「主に、かく?とか言うやつじゃな。これは危なすぎる」


 かく…角?いや、そんな訳…ああ、核か。確かにこれは色々アウトだわな。大丈夫だ。これは俺にも作り方は分からねぇから。ただ、色々やばいとしか覚えてねぇよ


「ならよかった…。じゃが他の〝すいじょうきばくはつ″は強力ではあるがまだ許容できるのぉ。まぁ、他に何かあれば夢にでも出て相談に乗るかの」


 水蒸気爆発…結構懐かしい言葉だけど確かにそれは水と火があれば確実に出来るな…。


 って、夢の中で相談できんのか?


「出来ると言われたら出来るぞ。これは主に儂らが世に言う『神託』をやるときとかこの方法じゃの」


 神託かぁ…でもそれだと一方通行過ぎない?


「まぁ…のぉ」


「それは……確かに否定できませんね」


 電話みたいに出来たらなぁ…。


「“でんわ”?………ほほぉ。面白そうじゃのぉ。これはちと他の奴らとも交ぜて話し合わねばの」


 ……そういえば思ったけど、神様ってそうやって無秩序に記憶を見るの?


「いや、そう言うことでもない。基本的に儂ら神はそれぞれの分野に対応した部分しか見れぬ。儂を例に挙げるなら、魔法に関すること、じゃな。そなたの個人的な過去なんぞ分からん。アルフェイルスは転生神じゃから“人”を見抜いたりとかに記憶を見るの。もしくは魔法に繋がりうるう“技術”などじゃな。因みに魔術具などは別じゃぞ?」


魔術具…言い方からして魔術とかを道具で再現可能にした感じかな?


「そうじゃな。あくまで道具なので、わしの管轄外じゃ」


 建築とかで例えるなら、設計士と大工が別物みたいな感じか。


「イメージとしてはそれが近いの」


「で、話を戻すと、信仰神である私で言うなら、どれほどまで潔白なのか、ですね。罪を犯しても、それを流すほど長い時間を修行したりなど、私ならそのように記憶を見る事が出来ます。他にも些細な条件などはありますが、基本的にそのような物だと考えてもらって構いません」


 なるほどねぇ…。


「で、話を少々戻すが、もしかするとその“でんわ”を基本にした神スキルを創るかもしれん。そしたらそしたで連絡するからのう」


 っていうか、電話って思いっきり道具なんだけど…。


「そうじゃが、念話という魔術に関連して記憶を見ることができたからの。それでじゃ。面白い発想をするのぉ。流石、異世界の文明といったところじゃの」


 なるほど。まぁ、一応了解って言っておくよ。


「さて、話題を戻すが他に魔法に関して、何か聴きたいことはあるかの?」


 それを言うなら、雷とか氷とかって魔法にないのか?


「あるにはあるが、風の上位が雷で、水の上位が氷じゃからのぉ。基礎だけで言うなら風と水で纏めておる」


 ああ、確かにそれはそうだわな。


「そなたの知識は魔法に大きな発展が得られるのぉ。大事じゃから二度言うが、流石異世界の知識と言ったところじゃ」


 ……そのネタ、こっちにもあるんだ。


「カッツェルベン経由じゃがの」


 あの笑い神か…。


「ふぉふぉふぉ。どれ、そなたの祝福を加護に変えてやろうかの」


 マジすか、ベイルモニア様。


「うむ。加護になれば種族特有の魔法スキルも得られるようになろう。じゃが、これは他の魔法や魔術より得づらいから注意じゃ。もちろん、祝福より魔法の会得はしやすくなるし、加えてMPと知能もより増えやすくなるから、前よりは魔法の会得はやりやすかろう」


 それはマジで感謝です、魔法神様。ルーファスの時はかなり苦労してもなかなか得られませんでした…。


「ふぉふぉ、気にせんでよい。さて、儂らに出来るのはここまでかの?」


「そうですね、今はこれくらいといったところでしょう。さて、結崎さん、あなたにもう一つ、加護があるのをご存じですよね?」


 ああ、妖精神の加護…だったっけ。これ俺、なんで得られたのか不思議でならないんだよな。


「それは直接聞いてみて下さい。これから来ますので」


 え?


「お、どうやら来た様じゃな。それでは達者でな。とりあえず、説得してみるわい」


「私も説得に回りますので、ご安心ください。それでは…」


 ちょい!いきなり妖精の神様に会えるなんて聞いてない!そして説得って!?

 でも妖精の神様かぁ。確か自分に正直な人が得られるんだっけ。違う、素直だ。自分に素直ねぇ…。なんかそれ以外に要素が絡んでるって思うのは俺だけだろうか。



「いいえ、その認識で合ってるわ、結崎くん」


 …もういきなり声が聞こえても驚かないぞ。

 それが今までとは違う人っていうか神の声が聞こえても。


「失礼ね。じゃぁこれでどうだっ」


 と、そう言って妖精神レスフォモルは姿を現した。

 蝶々のような羽根に、服は童話にあるような妖精の服を纏いつつ、虹色のオーロラのような髪を足まで垂らしながら…。



 因みにオトナというよりは少女でした。


捗るときは捗るんですよね…。


読んでくださってありがとうございます!

誤字、表現の違い、辻褄などが合わない!などといった修正も棘鉄球を降らせるが如く受付てますので、その節は宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新しく連載することにしました。

シンケンの使い手~こんなチートありですか?~

これらも是非、宜しくお願いします。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ