第七十三話:どうやら絶叫しなきゃいけないようです
クラスが解散した後、犬系獣人で拳闘士のアシュベルは訓練場…もとい、闘技場を確認しに行った。一方で俺、ロム、吸血鬼で日下を歩く者のアスディラと一緒に図書を探すことにした。
===???Side===
『観察対象、図書へ調べ物』
『引き続き観察。可能、書物確認』
『了』
===バルマウスト監視組Side===
「よぉ。殿下はどうしてる?」
「どうも早速一人を手籠めたらしい。侍女ともう一人の女生徒と図書だそうだ」
「ほほぉ…手が早いですなぁ。では、我々も引き続き王命をこなすとしますか…」
「…あの陛下夫婦にも困ったものだなぁ…」
「全くもって、だな。ま、心配の種も分からなくもないけどな」
「だな」
===バルマウストSide===
……最近、妙な視線を感じるのだがまぁ、特に害は無さそうだから無視で良いか。
クラスが解散になった後、俺とロム、そして黒髪赤目で吸血鬼であり、日下を歩く者(クラスには非公開)のアスディラと一緒に図書に行く約束をしたので、今一緒に歩いている途中である。もっとも、地下の移動システムを使えば一瞬だけど。
という訳で、俺たちはそれなりに話ながらその移動システムのところに向かった。
「一体、この学園にある移動システムってどんなんだろうなぁ…」
「確かに、それは純粋に気になりますね」
お互いにこれは興味を持っていたので、こんな会話を繰り広げながらではあったが、目的地に到着した。
すると、そこにあったのは、ジェットコースターの座席とかに使われてるアレが6個並んでいた。2が3つある感じで、それで1セット。それがどうも複数ある様である。だがよく見てみると、その2の間に妙な切れ目があることから、恐らく最大6人で最少でも一人というケースに合わせて、切断して使えるような工夫があるのだろう。だとしたら凄い高度な事だな。大体魔法や魔術は命令が複雑になればなるほど色々難しくなるかからな。
「へぇ…なるほどな」
どうも乗る前に行き先を決めるマップのようなパネルがあって、それで行き先を指定。そしたら座る場所が表示されるからそこに座って、大移動!って感じなんだな。恐らくだけどこういうのは座ったら強制的に動くってパターンが予想される為、一度に一緒にやったほうが良さそうだな。
「バル様はこのような乗り物をご存じなのですか?」
「ちょっとだけ…かな。見なくても大まかな事は推測できる」
「それでは、早速乗ってみませんか?」
「そうだな。試しに乗ってみるか」
そう言って、俺、ロム、アスディラはお互いに行き先登録をした後、お互いそれぞれの場所に座った。
…どうして最初に登録した俺がロムとアスディラに挟まれる形になったのかは分からないがこの場合は放っておこう。
すると、俺たちが座っている椅子…?がいきなり浮き始めた。浮かんだのは俺、ロム、アスディラが乗ってる4席(一つ空いてるけど)で残った2席はそのまま残った。その時と一緒に白いラインのような光が走った。
「お、一体どんな感じなの―――かなあああああああああああああ!!!」
ちょおおおおおおお!!!早い!!凄い早いよおおおおおおおおおおおお!!
いや、いきなり動くっていうのは予想してたけど、ここまで加速って早いのか!?あ、そうだ!魔法とかあったっけええええええ!!
これどう考えても時速120キロは行くんじゃないのおおおおお!?
「「きゃ~~~~~~♡」」
「うわあああああああああああ!!」
ジェットコースターかちくしょおおおおおおおおお!!!俺苦手なんだよこういう早いのはあああああああああああ!!!
がくんっ!
「え?」
え、急下降ですか?
「マジかああああ―――うわっ」
からの、元に戻るかよ!!
ぐわんっ!
今度は急上昇かああああ!!
「「きゃ~~~~~~♡」」
「まじかよおおおおおおお!!!」
という感じで俺たち3人は(少なくとも俺にとっては)恐怖のアトラクションを味わった。地下の廊下は全体的に淡い色合いがベースでところどころに蒼いラインが張り巡らされていた。けどそれは後々の同じく、アレが平気だったディオから聞いた感想だ。まぁ、これも何かのカモフラージュかもだけどね。外周の壁の魔法陣みたいに。
幸いにも俺たち3人は乗り物酔いが無かった。だが…それでも俺はメンタルダメージは負ったけどね…。
こうして俺たちは図書のエリアについた。ここまで本来なら1時間かかる道のりだが、それを15分くらいに短縮しているからまぁ、かなり有用ではあるな。後はマップを覚えなくても勝手に連れて行ってくれる事か。
でも…俺はもう二度とこれには乗らない!これに乗ることを俺が許さない!もう、ジェットコースターさながらだよ!ああ、辛い。そして女子二人はなんかツヤツヤしてるし…。うう…。
っていうか何だよこの学園都市!!ファンタジーぶち壊しもいいところだよ!!外壁の門から始まって今度はこのジェットコースター式移動システム…。もうやだかも…。
「バル様!帰りにもう一度乗りましょう!」
き…キラキラしていやがる。はぁ…ちくしょう腹をくくるか。
「あ……ああ、分かった」
引きつり気味なのは分かるが許せ!
「ううん…大丈夫ですか?顔色悪そうですけど…」
「ハハ、大丈夫だと思う」
うん。本当に大丈夫だと思いたいね。少なくとも心の奥底では涙目に加えて両ひざついてがくっみたいになってるからね!
「さて、それでは、早速用事をすませません?」
「だな…さて、どんな書物があるのやら…」
「本当ですね、バル様。お望みの書物があると良いですね」
と、まぁこうして図書のエリアに来たわけだけど、実はこの図書のエリアでも明確とは言わなくても、それなりの区分けがある。
一つが魔法・魔術関連の書物。
一つが歴史関連の書物。
一つが戦闘関連の書物。
一つがその他の書物。
魔法・魔術関連の書物が一番多くの割合を占めて、その次に戦闘関連の書物が充実している。その他の書物は現代で言う、小説などの創作のものや生産関連の書物もコッチなのだ。歴史はいわずもがな。
魔法・魔術が一番割合を占めるのはその種類と使い用途だ。同じ“ファイアーボール”でもイメージの仕方で性能は違う。それ故に、数多の魔法師、魔術師の知恵がここにあるのだ。勿論、そこには錬金魔術、魔法薬、そのほか魔力を扱う術があるからだ。勿論、この中にアスディラが求めている治療関係の書物もある。ただ、少な目な部類ではある。
戦闘が次に割合を占めるのはまぁぶっちゃけ、魔物とか、そういう関連だ。その魔物の特徴、倒し方、注意、そう言ったものがよくある。そして今までのダンジョンや迷宮などに関する書物もあって、武術やそういった類の指南書と言ったものも多くある。そして同じ魔物でも地域が違ったら違う特徴とかあるからね。これは恐らく環境が魔物をそういう風に最適化させた結果だと思う。これらはしょっちゅう借りだされたりするため、多くのコピーも用意されている。まぁ、ここらは冒険者などを目指す生徒もいるから結構な割合で無くされてはたまに戻ったりを繰り返してるんだけどね。
ま、こんなところか。
因みに俺も魔法や魔術関連の書物を読もうと思う。だってせっかくの黒髪美少女との読みあいっこだぜ!え?今美少女って言ったろって?今まで美少女って言ってないだろって?だってそりゃそうだよ。言ってないもん!ああ、もう完全な言い訳だ。
だがっ。
腰まで長くて鮮やかで、その光の反射がもしかすると色は虹なんじゃないかって言いたい黒髪。
深紅とも言えて、だがその紅はルビーなんてお遊びとも言えるほどの輝きを持つ瞳。
まだ“少女”といえど、服の上からでも分かるほどの膨らみがあって、将来も有望。勿論、制服の上からだ。
その肌のきめ細かく、シルクのような肌はまさしく美女の証。
顔のパーツもかなり整っていて、人形になっても違和感が無い。
これを美少女と言わずしてなんという!まぁロリコンじゃないからあえてここで評価は止めておくけどね。…語呂が少ない気がするけどこれは気のせいじゃないだろうなぁ…はぁ。
「アスディラは治癒関係だから魔術関連の書物を見るんだよね?」
「はい、そう考えています」
「それ、俺も一緒でいいか?ちょっと興味があってね」
「あ…」
…ん?
「どうしたの?」
「アスディラ様?」
「う…ううん。なんでもないです。いいですよ」
「それでは私も魔法や魔術関連の書物を調べようと思います」
「念のため言うけど室内で使うなよ?」
「それはバル様が一番気を付けるべきです」
「アハハ…善処する」
「え?どうして?」
「あはは……聞かないでくれると助かるな…?」
「え、う…うん。分かりました」
「ありがとう」
確かに…俺には前科があったな…。
調子に乗って、エーリュンゼの図書の間で………魔法を間違って暴発させたこと!!
幸いにも書物は無事だったけど(風魔法だけど切り刻むとか無かったから)、書物がいろんなところに飛んで大変だった。…気をつけよう。
「それじゃ、行くか」
そう言って俺たちは魔法・魔術関連の書物が集まるエリアへと足を入れた。
…絶対にロムは説得しよう。じゃないと俺の身が持たない。
(あ、私はロムちゃんを援護するからね)
俺に味方はいないのか…そうか。
ふぅ…
皆さん、メリークリスマスです!
出来たらクリスマスネタを書きたいけどそこまで展開が進んでないので断念せざるを得ませんでした…(泣)
…新年は…行けるか?いや、無理かも
。。。_| ̄|○




