第二十五話: 奴隷商巡り
本日4話目の投稿です。
もう仕事をこの小説を書くことに注力しようかな…しないけど
光学迷彩を外し、街中を歩く俺。
ここはジバレ二ア公国の二番目の都市で、エーリュンゼから一番近い都市でもある。その街中を興味津々で見る俺。
ここの住人には奇特な目で見られてる、という状態だ。まぁ、もちろん、俺のメインは奴隷たちを見ることであって本当の意味で観光ではないのだが。
ここの奴隷たちを見ているとそれなりに質はよさそう。スキル構成とかは後々訓練させるとして…。
今はディオと一緒に奴隷の散策だ。お互いにステータスを見合って、考え、候補とするかしないか決める。
俺としてはテンプレの美人奴隷とかを買いたいけどいかんせん、今の俺は5歳なので色々危ない。だから城の使用人になれそうな奴隷とかを探している。
前回の奴隷に関しての説明には実は続きがある。それは奴隷と言えど、成人である15歳にならなければ売ることは出来ないのだ。だが、買われた奴隷の推薦や王族や貴族と言った面々が使用人として「雇う」のなら事情は若干違ってくるため、実質15歳からの購入なのだ。
ずっとかれこれ一時間ほど見ているが、特にこうと言った人材はいない。スラムなどの違法奴隷を考えたが…ちょっとこのまま負けてまた奴隷として落ちるのが怖いのでやめておいた。チキンかもしれないけどそういう場所は可能な限り無関係でいることに限る。
ああ、でもこのままだと奴隷商の方に行かないとダメだなぁ…見た目だけでも大人になって某探偵番組の若干逆バージョンとか出来れ…ば?
…出来るかも?
俺はそう考えて再び裏路地へ。もちろん、誰も見ていない、いない場所だ。そこで、俺は思いついた。
もし、光魔法で幻影と同じようなことが出来れば?
若干難しいかもしれないけど、やってみる価値はある。
この魔法は…ディオ、出来るかな?
「何を?」
光魔法で俺たちを大人みたいにさせる方法だよ。光に色が付いて見えるのは光が反射してるから…。なら、その反射する光程度の色を反射じゃなくて、発光、させたら?
「なるほど…それは多分出来るかな。やってみるわ」
そうやってディオは魔法の制御を始めた。まずは、自分自身から…ではなく、俺から。確かにディオは自身が見えないから大人に見えさせることは出来ないか。それに、実験なら俺の大人の姿を想像すればいい。
しばらくすると、ディオが頷いて…
「うん。これなら行ける!」
と、若干ガッツポーズを取った。
じゃぁ、俺にはそれが成功したか分からないから、適当に町の人に化けてみて。まずは…あそこの屋台のおっちゃん。
「了解!」
因みにその屋台のおっちゃんの見た目は…肉を焼いているが、あまりにガチムチで冒険者とか斧戦士の方が似合うんじゃ…って言うくらい。
そしてディオはその姿を完璧に真似てみせた。
…うん。確かに成功だな。よし、解いていいよ。じゃぁ、大人の姿の俺をみんなに見せるように。あ、ちゃんと全方位対応済み?
「勿論!」
と、Vサインを突き出してきた。
…なんだろう。なんかグッと来たものが…まぁいいか。
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光魔法で幻影もどきを作った後、俺は奴隷商に向か…わずにそのまま路地裏にいた。幻影で大人の姿を作ったのは良かったけど、さらに注意深く考えたら声も変えなきゃいけないのである。という訳で、またさらに魔法を開発した。
「その声を、異なる音として翻弄せよ【音声変換】!」
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スキル:【音声変換】
を、新たに追加しました
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よし。
と、確認して改めて奴隷商に向かった。
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「ようこそ、いらっしゃいませ」
と、俺たちは無事、奴隷商につき、奴隷たちを観ることが出来た。まず、条件の一つは使用人に出来るような奴隷。もちろん、今は奴隷を買うお金は無いので、見てから候補を決め、後に自分の主と話し合ってから決める…っていう事にしている。
雇うという事なのでそれに似合う奴隷たちが多く見受けられた。俺も候補を可能な限り念話でディオと話し合いながら決めて行った。
その後、同じような感じで奴隷商を回った。
勿論、俺のMPが切れそうなときは馬車に移動して休んだりとかしながらだったが。それでも候補は幾つか決まったので、後で母さんに報告しようと思う。
でも、肝心の俺の仲間になりそうな子はいなかったなぁ…。くぅ、欲望を叫ぶならハーレムしたい!でも甲斐性が無いので叫ぶだけだ。
同じような奴隷商周回を母さんのお茶会が終わるまでに可能な限りこなした。
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「ふぅ~ん?結構面白そうな人材ばかりね。流石奴隷公国の正式奴隷たちだわ。確かに、スキルだけで見れば面白いわね」
夜、俺は母さんの止まってる高級宿に一緒の部屋にいる。宿ではこういう裏設定なしで泊まれるため、ありがたい。なぜ最初は馬車なの?とも疑問に思っている人は多いだろう。だが、門をくぐったあと、すぐにお茶会に行った母さんに俺は聞く時間が無かったというのもあるが、何よりここら辺のお勧めの宿を母さんが候補を決めかねていたため、お茶会の主催者である貴族主婦方に伺って、ここに至る。色々言いたいだろうけど、事実である。
「はい。これだけあれば、王城の使用人も足りるかと。ほかにも念のため、文官の候補らしい者たちも絞っておきました」
そう言って俺は別の資料を母さんに渡す。実は奴隷商に行ったとき、使用人とは言ったものの、文官候補も、一応入れておいた。だが、やはりこういう文官などはこの公国では重宝されがちなため、教育中の者も含め、あまりいなかった。だが、あまりいなかったという事であって完全にいない訳ではない。だからこうして数人程度ではあるが、資料があるのだ。
「ううん…正直微妙ね。でもしょうがないわね。こんな国だもんね。どの国も文官は必要よ」
母さんはそう区切って資料をしまった。
「じゃぁ、私は明日、この奴隷たちを見に行くけど…あなたも来る?」
「はい、お願いします、母上」
と、俺たちはこうしてブルムクスの街で一夜を過ごした。
…5歳児のやることじゃないよな、これ、本当、改めて考えると。
すみません。種族とかのことについては細かく語る機会があったらしたいと思います。
まだ細かい設定を考えていないです
(´・ω・`)