妖精を決める。けど、貴族…じゃねぇよな?!
―――転生してから6か月、俺はまたアルーゼンへと生まれた。
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OK、貴族に転生したっぽいな。
天幕付きの豪華なベッドに広い部屋、壁や天井の装飾も中世ヨーロッパな感じで豪華。ちょっと豪華すぎる気はするけど。
あ、シャンデリアらしきのもあった。……子供の部屋にしては豪華すぎる気がする。割とマジで。
周りの世話をしてる人たちを見ればメイドや執事もいるし。
そう!これだよ!!第二の目的としてメイドがいるんだよっ!それも秋葉とかのエセじゃなくて、リアル本職メイド!!
もう興奮しまくったね。
そして執事とかも姿勢とかピシッとしててこれもまたカッコイイ。なんていうか、見た目とかそう言うのじゃなくて、洗練されたカッコよさって言うんですか?それを感じるね。
さて、あの女神さまの事だ。多分ここも色々世界の構造がやばい部分の一つなんだろうな。わざわざ平和な場所にするはずないし。いや、普通なら平和だけど崩れ去るって意味じゃ平和じゃないし。
少なくとも知識とかはこれで問題は無いな。最悪の場合は独学でどうにか出来る。こういった場所には必ず書庫があるはず。貴族に領地経営はつきものだしな。あ、王宮で働いている人はまた別だぞ。
あ、そう言えば新しく配布……で、いいのか?まぁ貰った【神界通信】とやらを起動させてみますかね。
ええっと……もしもし?
…………なんも反応が無い。
アレか?電話番号的なのが無いからか?ええっと、じゃぁ……
【神界通信】、アルフェイルス。
『はい、こんばんわ。良かったです。ちゃんと機能はしているみたいですね』
うお!?頭の中に直接響く感じか……驚いた。でもこれこそ魔法!って感じがすっごいするわ。
『喜んでもらえて何よりです。そして6か月ぶりですね』
うん。6か月ぶり。なんていうか……流石上流階級社会の屋敷の子供の部屋って感じ。正直、豪華すぎる気もしなくもない。
『いえ、それが基本的に標準なので気にしても無駄ですよ』
まぁだろうな。ううん、まぁ慣れるだろ。慣れこそが一番の所だし、こういうのって。
『はい。順応はそれだけ大事ですよ。それと、連絡が二つほどありまして』
連絡?
『はい。1つはスキルの習得速度についてです。覚えるのは魂ですが、容量の良さなどは器によりけりですので、そこは注意していただけると』
容量?ええっと……簡単な話がコンピューターとかのメモリの部分が魂の所で、他のスペックとかがグラフィックボードとかスクリーンとかのパソコンのパーツみたいな感じ?
『……そうですね。大まかそのような認識で合っています。そこに処理速度を入れる感じですね』
つまり、アプリとかのインストールにかかるときの処理速度がスキルの習得具合で、そのインストール先の保存部分が魂ってことか。
『はい。そうです』
ほへぇ。まぁ今はそんな感じで覚えておくよ。で、もう一つの連絡って?
『レスフォモルからで、ちゃんと選んでおいて、とのことです』
ああ、理解。その時になったら連絡すると伝えておいてください。
『はい。それでは、また』
―――プツン。
うん。頭の中でテレビの音が消えた時のサウンドが入った気がする。でもこれはこれである意味分かりやすい、か?まぁいいや。
ううん……って言ってもまだ悩んでるんだよなぁ。
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さて、まず、その妖精だけど、俺なりに考えた点をまとめ上げよう。
まぁ、妖精がどういう風に魔法を使うか分からないけど、もしも俺自身が魔法を使っていたら、ということで仮定しよう。
火
高い攻撃能力を有していて、強力な範囲攻撃を使える。物理系のサポートが出来る(主に膂力などの上昇)。現代知識における完全燃焼の炎(理科とかでやった青い炎)が使える可能性がある。他にも粉塵爆発、密閉空間による爆発なども使えるだろう(現象の正式名称は忘れたが)。
極めることが出来たなら太陽すら作り出せるだろう。
他には寒い時期に暖を取れるって事か。あ、お湯とかあったら風呂作れるな。
水
攻撃というよりは防御が高いかも。魔法系の補助を使える。いざとなったら飲み水に使える。現代知識を風ほどではないが使える。水圧による刃、分子運動による氷の生成とかね。場合によっては水の中を自由に行き来出来ると推測。
極めることが出来たら、国の首都を全て流せるほどの大津波すらできそうだ。その逆で津波で巨大な防壁を作る事だって可能だろう。
風
速度の恩恵をもたらすことが出来る。攻撃は不可視なため、暗殺などには適している。現代知識がある故、恐らく一番有用。真空、電気の原理、超電磁砲、音の伝達などはこの部分なはず。超電磁砲は怪しいところだが、俺自身が土魔法を使えれば理論上は可能になる……と思う。蛇足だけど向こうにいた時に一度PCでレールガンで打ってみたら超電磁砲って出てきたのは驚いた。
極めることが出来たなら、全てを巻き込む暴風を生み出せるだろう。それも雷付きで。……冗談で抜きで風神雷神できそう。
土
恐らく一番防御力が高い魔法。サポートは防御に重点を置く。鉱石とかも操れる可能性あり。ダイヤモンドとかは骨などの炭素が長い時間で固まったものだからそれも恐らくは可能。地形の操作に長けるため、歩きにくいところはある程度は楽になる。家もこれがあれば自由自在に作れるだろう。
極めることが出来たなら大地を砕くことも可能になるはずだ。
光
オールラウンドな属性。防御、サポート、攻撃ともに豊富。防御は聖域といった範囲防御に速度と防御を同時に補う補助、恐らくだがレーザーのような攻撃魔法も可能。現代知識の光の反射を使えば光学迷彩を使うことも出来るだろう。他にも紫外線や赤外線と言った事も試していないが可能にはなるだろう。だが、これは権力争いに使われやすい(主に宗教関連の)。王子となったからどうなるか分からないけど、それでも色々言われるだろう。
極めることが出来たら文字通りの【勇者】になれるだろう。光の翼を持つ鎧を纏い、聖剣で闇を切り払う。くぅぅぅ!かっこいいぜ!
闇
精神誘導、攻撃の一部吸収など、厄介な魔法がこの部類。強制的な契約などもここに入っているため王子となった俺には評判は悪い。が、吸収は物理、魔法の攻撃ともに有効で、イメージさえ確率していれば遠距離からでもHPやMPのドレインも可能だろう。精神誘導で俺が知りたい情報を取って敵の黒幕を知ることも出来る。状態異常にもかけやすいから戦闘以外にも役には立つ。呪いを作ることも可能で、何か嫌がらせをしたいときもバッチ来い!だ。
極めることが出来たなら…想像はしたくないが、街中の人を洗脳できるほどの力量になるだろう。後、確認はしていないが、死霊術らしきことも出来るはずだ。
…改めて考えるとそれなりにではあるが絞れるな。
まず土、あと火は抜きかな。土で家って言われても正直…な部分はある。火に関してももしもこの国が戦争とかやってれば王子だからこそ重宝されちゃうし。
となると、水、風、光、闇が残る。
あ、闇だと警戒されやすいから抜きだな。
後、水で飲み水とか王族ならいらないし、水の中で活動っていうなら潜水艦とかを作ればいいだけの話だしな。…材料があれば、だけどね。
そうなると、風と光…か。
…そういえば俺は何をしたいんだっけ、この世界で。
…
……
…だよな、そうなると…。
よし決めた!
では早速連絡……の、前に俺の今の名前って何だろう。とりあえずステータスチェックして自分が誰なのか見てみるか。
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エーリュンゼ王国第三王子・バルマウスト=グリン・ルブリウム、0歳、人間、男
Lv.1
HP:9/9
MP:15/15
膂力:3
知能:7
俊敏:2
対物:1
対摩:3
スキル:
(神)神界通信
(神)言語翻訳
(レ)鑑定・改
(レ)霊視・熟
(レ)霊感
(レ)霊聴
(レ)指揮
(レ)気配察知
(レ)気配隠蔽
(レ)遠耳
(レ)念動魔術 ― ▽
(レ)風魔法 ― ▽
(レ)火魔法 ― ▽
(コ)生活魔法 ― ▽
(コ)遠視
(コ)盗聴・改
神の加護:
転生神の加護
時空神の加護
妖精神の加護
魔法神の加護
笑い神の祝福
信仰神の注目
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…ふむ。
ええっと、まず一言。
これのどこが貴族じゃああああああ!!!!
確かに金持ちだよ!?でも貴族はおろか王族ってどういうことよ!?
ちょい!ええっと…あ、そうだ!
ええっと…【神界通信】、アルフェイルス!
『はい、なんで――』
ちょい!確かに喜んだけどさ、この待遇!貴族どころか王族って聞いてない!
『ああ、里一さん…いえ、バルマウストさんが教育を受けたいとおっしゃっていたので、より質の良い教育を受けれるようにこちらにしました』
そういうことかああああい!!!確かに質のいい教育は受けれるけどある意味これは受け付けてなかったっていうか準備が出来てなかった…。
はい、主人公、平民から王族になる。(ある意味逆転劇)
そして主人公が選んだ妖精の力はいかに!?次回お楽しみに!