第八話
佐々木光玲がガーベラに入って二日―――
雫の家に光玲の荷物が来る日だ。
業者「すいませーん」
呼び鈴と共に聞こえる業者の声に雫は玄関へ向かった。
雫「はーい。」
業者「引越し業者です。」
雫「あ〜!どうぞ〜」
―――――
光玲「いや〜、改めてありがとうね。」
雫「いえいえ、お気になさらず。」
木曜日の午後四時頃。部屋案内と軽い荷解きを終えた光玲はリビングで雫と話す。
光玲「それで、雫くんの親御さんは?」
その言葉に雫は一瞬言葉が詰まる。
雫「一緒に住んで無いんですよ。」
光玲「あれ、そうなんだ。」
雫「それより、うちには明日から住むんですか?」
光玲「雫くんさえ良ければ、今日から住まわせて貰っていいかな...?」
雫「えぇ。でしたら、光玲先輩が荷解きしてる間にお風呂沸かしておきましたので、どうぞ。」
光玲「えぇ?!いいの?!」
雫「えぇ。まだ夕方ですけど。」
そうして光玲がお風呂に行ったのを確認した後、雫はサリエルに話し掛けた。
雫《サリエル、今一度お前に聞きたい。》
サリエル《おやおや〜?君がこのボクに何かを聞くとは、明日は終末かい?》
雫《戯言はどーでもいい、加護としての天死の話だ。》
サリエル《加護のボク?あ〜...雫君はどうだと思う?》
雫《はぐらかすな、天死は天使の作った神に命令や力を貰ってるんだろ。》
ミカエル《そうだろ〜 天死はもう少し御身に優しくしてもいいんじゃな〜い?》
雫《――!誰だ?》
ミカエル《あぁ失礼♪ 俺は天護 天死と同じく我が主から生まれた天使だ〜よ》
突如として話を割って入った天護に反骨する様にサリエルは言葉を返す。
サリエル《お言葉ですがミカエル様?生憎天使は大天使より忙しいもんでね〜?》
ミカエル《馬鹿も休み休み言え〜?元大天使〜 君は些かいい加減すぎるよ〜?》
サリエル《否定はしないけど、少しはボクの気を汲んで欲しいもんだね。まぁ、今回は大天使様に免じて一つ助言をしよう。》
《己を 闇を 無を 見つめよ
さすれば 他を 光を 全を 知るだろう。》
ミカエル《全く助言になってな〜いね》
先と同じ様に話の腰を折るミカエルにサリエルは静かに怒りを顕にした。
サリエル《我が主の命以外でまともな仕事しねぇダチョウ以下は黙って巣に帰ってろよ。》
《これ以上口出しするなら我が主が止めようと、てめぇを殺す。》
ミカエル《ッハ! やっぱり堕天使顔出来んじゃ〜ん?》
そう言い残し、ミカエルの体は霧散した。
サリエル《全く、ボク以外の天使達には困ったもんだね〜...って雫君?》
雫《――ん?あぁ...お前もな。》
《今回ばかりは礼を言おう。》
サリエル《いえいえ〜♪》
光玲「お風呂ありがとう〜...って、雫くん?」
リビングに戻った光玲の視界には雫の姿は無く、代わりに置き手紙がテーブルの上に置いてあるだけであった。
〜〜〜〜〜
急用が出来ました
19時には帰ります
〜〜〜〜〜
家を出た雫の行く先は日本支部であった。
理由はサリエルの助言――と言うより天死に頼らない加護の使い方及び口無との対話である。
空閒「それで?態々日本支部に来てまでおれに何の用だ?」
応接室で茶を啜る空閒佑斗に雫は要件を伝えた。
雫「先輩にお願いしたいのは他に配慮の要らない空間の用意です。」
空閒「それがオレに何の利得が付く?」
雫「利得は無いです。けど景士郎からの助言です。」
その言葉に空閒はあからさまに嫌な顔をする。
空閒「はぁ〜......面倒くせぇ〜」
悪態を吐きながらも空閒は後ろの戸棚から小さな硝子玉が多量に入った小瓶を取り出した。
空閒「こん中の硝子玉は魔術式をオレの魔力で固めたモンだ。硝子玉を割ってから一時間は内外共に干渉出来ない別空間に転移する。」
「後は勝手にしろ」
そう言い残し空閒は部屋を後にした。
ステータスプロフィール
1〜3 最低〜及第点
5〜7 普通
8〜10 努力〜天才(10=一般最高値)
攻撃: 機動: 技術:
魔法: 知学: 才能:
・攻撃
単純な攻撃力や武道経験を表す
・機動
機動力や回避力を表す
・技術
手先の器用さや技巧を表す
・魔法
魔法や加護の運用方法や操作精度を表す
・知学、戦術指揮
頭の良さや適応力を表す
・才能、潜在能力
才覚や霊核の大小を表す
(一般人は1、血統や加護で数値が上がる)




