第五話「少年の過去」
明かされる雫の過去と新しい登場人物?!
雫「おはざーす」
日本支部に顔を出した雫に珈琲を嗜むガーバルが返す。
バル「お早う、雫くん。傷の具合はどう?」
雫「お陰様で、もう殆ど治ってますよ」
バル「あぁ..其の事何だが...」
雫「何か?」
バル「実は君の傷..と言うより君自身だが、私の加護が効かなくてね」
「君の加護の影響かは分からないが...」
雫は少し考え..話し出す。
雫「耶弧さんとリアには黙ってて欲しいんだが...」
景士郎「俺は聞いてていいかい?」
上から景士郎がボサボサ頭で降りてくる。
雫「ケイにも聞いてて欲しいな」
神妙な面持ちで雫は話し出す。
「僕は...昔二度死にかけた」
・・・十数年前・・・
焼け付く様な日差しが照らす昼頃、外を歩いていた親子二人がいた。
雫「お母さん!早く早く!」
雫母「はいはい、待って〜」
急かす子供の後を追う母親、子供は信号に差し掛かる。
雫「も〜先行っちゃうよ?」
――ゴー!――
赤信号の白色が等間隔で跳ぶ道目掛けてトラックが走る。
雫母「危ない!」
少年の眼前に迫るトラック、慌てて走り少年とトラックの間に入る母親。
其の瞬間、少年の耳に鈍く潰れる何かの声が入る。
――グチャッ!!――
少年が次に母親を目にした時には母親は既に「母親であった何か」に成り果てていた。
少年は齢三つにして無情にも全てを奪われた。
・・・三年後・・・
?「勝者はクチナシ選手!」
地下闘技場『塵溜』で少年は幾つもの骸の上で生きていた。
通常の齢八つの少年には心が壊れていても構わない環境だが、空っぽの少年には心地好くも地獄とも言えぬ温い鮮血の湖と同義であった。
・・・五年後・・・
勇一「気を抜くなって言ってるだろガキ!!」
雫「うっせー勇一!抜いてねーよ!!」
全てを失った少年は天堂道場道場主である天堂勇一に拾われ、合気道を叩き込まれていた。
勇一「天堂流の基本であり奥義は『静』と『動』の流れを己が力にする事だ!」
雫「うっせーよ!何度も聞いたよ馬鹿野郎!」
勇一「親に向かって馬鹿とは何だ!」
――ゴン!――
道場に鈍い音が響き渡る。
雫「いってーな!オメーを親に持ったつもりはねーよ!!」
勇一「お前も天堂道場跡取りとして皆の見本になる動きをしろ!」
雫「だから跡取りにも息子にもなったつもりはねーって!」
勇一「あ!おい待て!!」
少年は道場を抜け出し、一件の民家に飛び入った。
嘴蜜「また道場を抜け出して来たのか?」
雫「師匠居たの...?」
嘴蜜「居ちゃ悪いか?そもそもて言うか儂の家だ」
全てを失った少年は大人に囲まれ、凸凹ながらも平和な日々を送っていた。
・・・そして現在・・・
雫「僕は過去に二度死んだ、だからこの仕事を選んだ。」
バル「成程...それと加護と呪いとはどうゆう関係?」
雫「十三年前に死にかけた時に口が裂けた。」
「それと同時に加護に目覚めたと思う」
ケイ「加護は何れ位扱える?」
雫「幾ら死んでも死にきれないだけ」
?「帰ったよ〜支部長〜?」
過去の話をし終わると玄関から黒髪ショートに紺色のスーツの男性が居た。
ケイ「お帰り浅香、お疲れ様。」
浅香「この子は新人さん?」
バル「新人の雫くんだよ」
浅香「宜しくね、私はガーベラ日本支部の...どっちがいい?」
ケイ「組織名で」
浅香「はーい、改めてガーベラ日本支部遊撃部隊隊長の葉鳥浅香だ宜しく雫くん。」
雫「一ノ瀬雫です、宜しく。」
文弥「お早うございまーす!」
浅香「この子も新人?」
文弥「新人の二楷堂文弥です!」
浅香「葉鳥浅香だ、宜しくね文弥くん」
耶弧「二人共来たか〜?早速訓練だ〜!」
次回は数週間後のお話になります。
引き続き楽しんで頂けると幸いです。