第四話「其の身の力」
オリジナルの天使階級や雫くんの謎の一端が見えるお話です
・・・ガーベラ日本支部医療室・・・
景士郎「やり過ぎだぞ..リア」
リア「弁明のしようもねぇ...すまん」
あの後、雫と文弥はリアにしごきをうけて怪我をしていた。
バル「折角だから加護について説明しようか」
景士郎「天使には主に四つの階級が存在し、上から熾天使、智天使、大天使、天使となっている」
「熾天使は四体、智天使は六体、大天使は三体、其の他天使が無数だ」
バル「私の加護は天浄、生命の促進や呪いの浄化ができるの」
「後は他者の加護の有無や名前が知れたりね」
景士郎「俺の加護は天啓簡単に言うと未来が見える」
バル「雫くんの加護は...天死死を司る天使ね」
雫「それ以外に...」
バル「呪われている..其の口隠しの下が呪巣だね」
「見せて..貰ってもいい?」
文弥「雫...?大丈夫か?」
雫「あ..あぁ...分かった」
雫は口隠しを外した。
其の下には口角から耳元まで裂けていて、歯は丸出し、傷元の皮膚はただれていた。
リア「バル先生、治せそうか?」
バル「試してみるわ」
傷に触れようと手を傷元まで伸ばすと、
――ジュッ!――
バル「成程ねぇ...」
ガーバルの手が弾かれ、其の手は少し火傷の様な跡が付いた。
雫「..ハァ...ハァ...ハァ!...」
文弥「雫!?口隠しを!」
雫「ぁ..あぁ...」
文弥から口隠しを受け取り、口隠しをする。
バル「すまないね雫くん」
雫「い..いえ僕が言った事ですから」
文弥「それで先生、雫の口の傷は治るんですか?」
バル「結論から言うと治療は無理ね」
雫「元々治す気は無いけど...」
リア「どうして治さないんだ?」
雫は少し間を開け、話す。
雫「この傷は僕の無力の証で..自分への呪いでもあるから」
耶弧「自分への呪い?」
景士郎「自分への呪いか...いつか自分自身の身を滅ぼすぞ」
雫「元々僕は昔に死んだ...未練は無い」
「あるとすれば..自分の救った人に呪われて死にたい」
リア「随分な自殺願望だな」
雫とリアの間にピリついた空気が流れる。
耶弧「さぁ!!悲しい話は終わり!今は加護の話でしょ?支部長」
景士郎「あぁ..まずは加護を自覚する事から始めようか」
「二人の教育はみーくんに任せよう」
「リアは新しい仕事がたんまりあるぞ〜」
リア「はいはい、どうせアタシは仕事人間ですよーだ」
景士郎「雫と文弥は今日は帰りな。みーくんも魔術を見直そう」
そう言って全員解散した。
バル「昔の貴方を思い出すわね..ケイ?」
景士郎「あぁ...だから雫をうちに引き入れたんだ」
バル「ヴェロニカは元気かしら」
景士郎「あの時の俺に見えたんだ、生きてるさ」
?「やぁ二人共、元気かい?」
景士郎「キャメルか..ご無沙汰で」
バル「ご無沙汰ですクリス本部長」
クリス「今月の報告を聞こうか」
次回は翌日のお話になります。
引き続き楽しんで頂けると幸いです。