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ダンジョン設計

 んじゃ早速、どんな事ができるのか確認といきますかね………。


「ステータスオープン!」


 眼の前にステータスウインドウのようなものが広がり。

 現在のポイントや、広げられるダンジョンのサイズやら、いろいろなものが確認できる。


 ……おお!?

 半分冗談で言ったのに、ホントに出たわステータスウインドウ。

 異世界テンプレだなぁ……。

 操作方法は……なんか、スマホと全く同じだな……。

 ゲームとほとんど変わらねえ……。

 俺はポチポチとダンジョン作成の手順を読んでいく。


 使えるポイントは5405ポイント。

 これでどのくらいのサイズの洞窟が作れるのか確認してみた所、ちょっと大きい公園くらいのサイズのダンジョンが作れそうだ。

 温泉やら敵の配備にかかるポイントは、……ふんふん。


 俺がウインドウをいじって、色々確認している様子を、目を見開き驚愕したような顔で。コアちゃんが見ている。


「は?  え?  な…なななな…なんなのそれは?????」


 は…?

 俺早速なんかやっちゃいましたか?

 異世界テンプレをいきなりかましてしまうとは……。


 …いや俺…本当に何をやったんだよ。

 ただダンジョンの操作方法を確認しているだけだが?


「普通は、巻物とか書物を具現化して詳細を確認するものでしょ?

何を出しているのよあんたは???」


 あ…?

 ああ……なるほど……理解した。


 つまり、俺のイメージするダンジョン情報の確認方法として、すんなりと具現化されたのが、このゲームもどきのステータス画面だったわけで。

 異世界の人間だと、こんなものは元からイメージの想像外であり、このステータスオープン機能は異世界のデフォルト機能。

 ……ではない、というわけなのだ。


 普通なら、ダンジョンの魔力で作られた書物なり巻物の説明書がいっぱい出てきて、それを元に、手書きでダンジョン経営のやりくりをする…というわけだね?


 ……うえー。

 考えただけでもやりたくねえわ、そんなクソめんどくせえ仕事。

 スマホのゲーム操作感覚でポチポチ気楽なダンジョン経営。

 それでいいそれがいい。

 ありがとう、現世のIT会社の人たちが作り上げた叡智のユーザーインターフェイス。


 よく見ると、このポイントを使って何ができるか、みたいな説明や画面。

 昔やりこんでた、街作りシミュレーションゲームの丸パクリみたいな作りだな。

 いや~楽でいいわ、最高だわ。


 ポチポチ画面を操作しながら、ダンジョンの操作確認をしている姿を、ダンジョンコアが目を白黒させながら見ている。


「なによこれ……。わかりやすい…わかりやすすぎる!おかしいでしょ! なにこれ! ずるい! どうなってんの!?」


 仮構造のダンジョンを、ポチポチと簡単に作り上げていく俺を見ながら、ダンジョンコアがなにやら騒いでいる。


 普段のダンジョンコアが、どういう風にダンジョンを作っているのかは知らないが。

 俺のように、街作りシミュレーションゲーをプレイするかのごとく、サクサクと洞窟を広げてみたり、物を色々配置してみたり。

 気に入らなければキャンセルしたりみたいな、お気軽な作り方は絶対できないことは容易に想像がつく。

 ずるい、ずるいと喚き散らす気持ちもよくわかる。


 だがな……。これが現代知識無双ってやつなんだ、すまないな。


「で……このあたりに、浴槽になるくぼみをつくって…美容の湯の効果は」


 1階層の瘴気パワー・10 温泉の肌美容効果で可能な効能。

「魔法の美肌効果あり、あせも、軽い手荒れ程度ならすぐ治り、ニキビも薄くなる。

 一週間ほどの連続使用で、強い乾癬や水虫、あばたなどにも、ある程度の効能を発揮する」


 うん……けっこう上等な泉質…効能じゃないかな……。

 少なくとも、俺のいた世界にこんな温泉があったら、奇跡の湯すぎて人が殺到するわ。


「湯の温度は…1階層では50度が限界…ってそんな温度いらんわ、42度でいいよ。

 この設定だと、湯量は300リットルで1ポイント……か。

 ……まずは、一日50ポイントくらいの湯量でいいかな?

 お湯の温度が冷めないように、一定に保つコストの事を考えると、熱い湯を常にゆるゆる足す方式のほうがいいのかな?

 この辺はやってみないとよくわからんな」


「温度、50度まで上げられるんだよ? 50度じゃなくていいの?」


「……うん、お前が全く人間の事をわかってないのはよくわかった、あとは俺に任せておけ」


「な……。」


 いきなりもうお前の説明はいいよ、と。

 戦力外通告を出されたダンジョンコアは、真っ赤な顔になってむくれてしまった。

 本当はもっと、ダンジョンの作り方から逐一説明する気だったのだろうな。

 ちっぱい悪魔が顔を真っ赤にしながら睨んでくる可愛い姿を見ながら、俺はダンジョンをサクサクと仕上げていく。


「よし!完成だ!温泉ダンジョン開設!」


 実行ボタンを押し、ダンジョンを建設する。




 ー 完成までアト22時間32分 ー




 なっが……。

 一瞬でできないのかよ……。

 まあ、ゲームじゃないし、建設にかかる時間は必要か……めんどくせ。


「おかしいよ……。早すぎるよ……。1階層の設計に私は……数ヶ月は……うう」


 なんかコアちゃんが後ろでぶつぶつ言ってるけど、気にしない事にした。

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― 新着の感想 ―
温泉足湯ゾーンに是非温泉で茹らないドクターフィッシュ型魔魚を。皮膚の角質を食べるから攻撃判定出来そう。
>おかしいでしょ! なにこれ! ずるい! どうなってんの!? そうだ、それが欲だ。それが希少価値だ、コアちゃん
文字の書体によっては判別が困難なので、誤字報告の内容を記しておきます。 長音符(ー)をemダッシュ(—)にして誤字報告しています。
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