明朝のスノードーム
儚夜
青いネオンが照らす深夜2時。ひそかは足元のみずたまりと睨めっこしていた。フードさえも脱ぎ払って「普通」になったような夜に、この綱渡りをどう上手く渡ればいい?誰も答えてくれないような問いを捨てながら、雑踏に紛れた路地裏の暗さに溺れて人生に絶望したような顔をしたかったんだ都会。「大人っぽいですね」洋服屋の店員に言われた言葉をふと思い出す。年相応になれていないことを悔やむべきか、人より強く歩んできた道を誇るべきか。そんなことも分からないまま地面を蹴る。愛想笑いしか出来なかったあの空間のようにこの雨で全て流れてしまえよ。いっつもかっつもおんなじように沈んでいくのに私に追いつかない私。どうにでもしてくれよなんて投げやりになったって誰も気づかない。そんなもんか無関心。聞いて効いて訊いて。あの子にも炭酸が抜け切った甘ったるい0kcalサイダーに縋るしかない夜があるのだろうか。あったらいいな。
タイムリミットが迫る前に爆発したいと願うのは罪らしい。私たち存在アカウント。何を取ったって、私たち集められた運命だったんだよ。救ってくれそうな深い深い海もいつか深い深い愛に変わってくれるかな。さかむけの合法的な痛みが救いになる夜もあるからさ。そういえば迷いくじらは沈められるらしい。ニュースでやってたよ。この空にでっかいでっかい雲。あのクジラは爆発したのかな。今日のもくもくはいつもと方向が違った。悲しみのように空も二層だ。