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192 松見草ー11(エメリア視点)

久しぶりに書いてるから、性格とか口調が変わってたらごめんして!

 それからはあっという間に話が進み、お父様が婚約の了承を出してくれてあたくしとディバル様は正式に婚約者になりましたの。

 ディバル様の方はサギソウの苗を分けてもらった時に、既にバーレンチ国王に婚約の承諾を得ていたようで、本当に驚くほどすんなりと話が進んでいて、あたくしの知らないところで画策されているのではないかと疑ってしまいますわ。

 けれども元々ディバル様はあたくしの婚約者候補として有力でしたし、不思議ではないけれども、いざ婚約が結ばれると思うと不思議な気分になってしまいますわね。

 そしてなんというか、婚約が決まってからのディバル様の態度が甘くなっているように感じますの。

 そのような態度の変化もあり、まだ正式には発表していないけれど情報はどこかからか漏れてしまうもので、学院では現在3つの婚約が内定している事で盛り上がりを見せていますわ。


「こうなったら3組の婚約披露の夜会を一緒に開催したほうがいいかもしれませんわね」


 ベアトリーチェお義姉様の言葉に一瞬驚いてしまったけれども、3連続で婚約披露の夜会に出席しなければいけないという負担を考えると、確かにまとめて開催してしまったほうがいいかもしれないとも思えますわ。


「でもベアトリーチェお義姉様、あたくしとジョセフは王族だから纏めて行ってもおかしくないかもしれませんが、シャルル様は違いますわ。出しゃばった真似をすると言い出す人がいるのではありませんの?」

「それは問題ありませんわ。その時にもう一つ発表することがございますもの。ねえ、オル様」


 ベアトリーチェお義姉様に話を向けられて、ティオルお兄様が頷きました。


「まだ内定の段階だが、シャルルには僕が国王になった際に宰相になってもらう予定だ。学院を卒業したら宰相補佐の任についてもらう事になっている」

「え!?」


 ティオルお兄様の言葉に素直に驚いてしまいましたわ。

 てっきりシャルル様はティオルお兄様の側近、筆頭侍従になるのだと思っていたのですが、私的な従者ではなく公的に政治に関わらせるということですのね。


「宰相の奥様でしたら、お茶会に呼びやすいですし意見の交換もしやすいですもの」


 にっこり言うベアトリーチェお義姉様に、この提案をしたのがベアトリーチェお義姉様なのだと理解できましたわ。

 公爵夫人とはいえ侍従の妻となれば社交界からは自然と遠のいてしまうものですわ。

 お茶会を含め社交の場にあまり顔を出せなくなるのはもったいないと考えたのかもしれませんわね。

 クラリス様をベアトリーチェお義姉様の侍女にするという手もあったかもしれませんが、一度は側妃候補になった令嬢を、なんの功績もなく侍女にするのは外聞がいささか悪いと思われたのかもしれませんわ。

 そこでシャルル様との婚約を王家が後押ししているという意味もかねての合同というわけですのね。

 流石はベアトリーチェお義姉様。先々のことまで考えていらっしゃいますわ。


「他の方が反対なさらないのでしたら、あたくしは構いませんわ」

「大勢で婚約発表を行ったほうがエメリア様も緊張しないでしょうし、私は元々賛成ですよ」

「ではそのように進めよう。日程は追って知らせる事になるが、そちらの希望も出来るだけ取り入れるようにする」

「はい、ティオル様」


 あたくしと婚約することになって王族席で食事をするようになったディバル様が笑っておっしゃいますが、その様子に仲が良くて何よりだと皆が微笑ましく笑う中、アーシェン様だけが困ったように微笑んでおります。

 いずれ嫁ぐ覚悟はしていても、それがジョセフだとは思いもよらなかったのでしょう。

 むしろ、あのブラコンのアーシェン様とよく婚約できたものだと感心してしまいますわ。

 クラスでもなにかと気にかけているように思っておりましたが、まさか婚約までもっていくとは……。

 妙なところで行動力があるのは流石アルバートお兄様の弟ですわね。

 けれども、アルバートお兄様はベアトリーチェお義姉様を諦めて他国に婿入りなさいました。

 そう考えるとジョセフの方が、初志貫徹をするための行動力があるということでしょうか?

 もっとも、一番初志貫徹する行動力があるのはティオルお兄様ですわね。

 デビュタントパーティーで一目惚れをしてから、ずっとベアトリーチェお義姉様一筋でしたもの。

 元々王妃にするなら(・・・・・・・)最有力と聞かされてはおりましたので、ティオルお兄様が王太子になる事を決意したのも、ベアトリーチェお義姉様を娶るためとも言えますわね。

 本当に、ベアトリーチェお義姉様がティオルお兄様を選んでくださってよかったですわ。

 そうでなければアルバートお兄様ではありませんが、傷心の果てに出奔なんてこともあったかもしれませんもの。


「それにしても、残すはゲオルグ殿下の婚約ですわね」

「国内の有力貴族に婿入りが前提とはいえ、勢力図を考えないといけないからな。陛下達も頭を悩ませているようだ」

「ゲオルグ殿下はどなたか希望なさるご令嬢はいらっしゃいますの?」

「特にどなたか、という事はありませんね。政略結婚ですし、穏やかで落ち着いた関係でいられればそれでいいと思っています」


 ゲオルグお兄様もベアトリーチェお義姉様が初恋でしたのに、その質問は少々酷なのでは?

 もっとも、国としてゲオルグお兄様の結婚相手が重要なのも事実ですし、悩ましいところですわ。

 家を興して他国から姫を貰う事も可能ではありますが、それはそれで勢力図に影響を与えますものね。

 あたくしはディバル様のお国に行ってしまえば簡単にはこちらに戻ってこれませんし、ゾフィお姉様も居るとはいえ、国内に不穏分子を作らないに越したことはありませんわ。

よろしければ、感想やブックマーク、★の評価をお願いします。m(_ _)m

こんな展開が見たい、こんなキャラが見たい、ここが気になる、表現がおかしい・誤字等々もお待ちしております。

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