第十章 ケガ
かなり間が空いてしまって、すみませんでした!
最近は特に何事もなく毎日が過ぎていった。
あんなにしつこくつきまとっていた雨宮も最近は大人しい。
だが、油断はできない。
大人しいだけで、いつ何時、また活発に活動し始めるか分からないからだ。
だからここ最近は怪盗としての活動をやめ……………ている訳はない。
今日も警察の間をかいくぐり、見事にお宝を強奪★
そんな時だった。
たまたま一人の警察官の撃った銃弾がオレの肘に当たった。
貫通………。
最悪だった。
ヨレヨレしながらも、なんとか警察からは逃げたが。
そんなオレが向かった先は、瑞樹の病室だった。
他に行く場所は思いつかなかったんだ………。
瑞樹side
夜中の4時。気がつくと、誰かが僕の部屋の窓を叩いていた。
誰だろう?
不思議に思いつつも、僕は窓を開いた。
すると、右腕を真っ赤に染めた炎香が倒れこんで来て……。
「ほの!!大丈夫?ほの、ねぇ炎香!!」
僕が必死にそう聞くと弱々しい声で彼女は
「大丈夫」
と言った。
どこが大丈夫なんだよ、と内心悪態をつきたかったが、今はそれどころではなかった。
とにかく炎香の血まみれの腕を何とかしてやりたかった。
炎香の腕は、僕と違って大切な……大切な腕なんだから。