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「おいクソババア、今日の晩御飯は何だ?」
「チャキッてんねぇ。今晩はカレーだよ。」
「おお、カレーか。」
「カレーのスペシャリスト三人衆を呼んできたよ。」
「ん?」
「庭には二羽ニワニワニワーッ!肉のことなら任せろ!合挽きミンチ先輩こと惚莇だよ。」
「ゴロッとした肉がいいな。」
「野菜なら任せろ!皮剥きには【紫電一閃】、癒論。」
「普通に調理出来る奴いねぇの?」
「ノンアル~!飲酒なら任せろ!遮音。」
「何しに来たの。」
「さて、早速だがカレーを作るか。」
茶黄がそう言った直後、四人のパッションが共鳴した。
頭の中で大きな爆発が起きた。
「ハンバァーグ!五体召喚!」
「くっ!なら!【紫電一閃】!じゃがいもで私達のSDフィギュアを五体イグニッション!」
「やるな!悪いがここでチャキる訳にはいかねぇんだ!ルールブックからルーを出陣!ルーマニアのフィールドでパワーアップ!」
「ノンアルを、集めて早し、最上川。」
急流が五人を呑み込んだ。
「何だ!?何で急に水が!」
「あー!私のハンバーグがー!」
「フィギュアの原型師になる夢が~。」
「ルールルル!」
「酒と叫んだ!」
そこへ、大きな桃がどんぶらこと流れてきた。
「桃だ!桃太郎だ!」
「私のミンサーでジュースにしてみようか。」
「桃ですか~?お酒に合いますね。」
「せいっ!」
癒論がスパッと切ると、中からサザエが飛び出した。
「いつまで寝てるんだよ!」
理不尽な体当たりがラミィを襲う。
「ふげ!」
カレーの良い匂いが漂っていた。
「あれ?邪布たん今日はカレー?」
「もう。中々起きなかったけど、夢でも見てたの?」
「うん。懐かしい夢だった。」
「へぇ。どんな夢だったの?」
「水着の師匠が安土城で千利休とチャンバラしてた!」