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「さーて、エロ同人誌でも買うか~。表紙詐欺は萎えるから、きちんとサンプルにも目を通さないとな。ん?これは私と遮音の...。」
サンプルを読んだラミィは怒りにわなわなと震えた。
「なーんじゃこの妄想は!キャラ崩壊が甚だしいぞ!仲間を集めて作者に苦情を呈してやる!」
「ふふんふふーん。」
セクサラミィがデジタルイラストを描いていると、
「お邪魔ー!」
「貴様!万年頭ピンクが何しに来た!」
「お前も一緒やろがい!それよかこれ見てみ。」
「これは!解釈の不一致。まず遮音様はこんな安い台詞でときめかない。」
「感想はどうだっていい。かちこみじゃ。」
「おう!」
二人はパソコンの中へ飛び込んだ。
電子の道を突き進む二人。
「作品をアップロードしたパソコンはもうすぐだ。ファイアウォールを何とかしろ!」
「がってん!」
光の分厚い壁が出現した。
「これ、ラミィの水着ー。」
ひょいと投げると、光の壁はそれを避ける様にポッカリと穴が開いた。
「行こう。」
「納得いかないのは私だけかァ?何で避けるんだよ!臭いのか!」
ファイアウォールを抜けると、強い光を放つ場所を見付けた。
「見て!あそこだよ!」
「臭いのか!なあ!汚いのか!」
二人は光の中に呑み込まれた。
「くるりんぽん!」
体を丸めて一回転して着地した。
そこにいたのは...。
「のこった!のこったのこった!」
「ふー!ふー!」
「こら!息吹きかけるの反則だぞ!」
紙相撲で白熱する邪布と遮音だった。
「何やってんだよ!」
「紙相撲。」
「あとこの同人誌、描いたのお前らだな!」
「ちっ、バレたか。」
「何でエロ同人なんだよ!」
「家計が火の車だからね。お金が無いから遮音と二人で副業してたのさ。」
「そうなのよ!貧乏極まって紙相撲で三時間遊べる様になったわ!」
「同人誌描けよ。」
「ラミィ、事情がわかったんだ。私達も手伝おうよ。」
「ああ...そうだな。セクサロイドにそう言われたら、やらない訳にはいかないな。」
「やった!ラミィ先輩と一緒にお仕事出来るんだ!」
「ああ!描くぞ!エロ同人!」
この後、この四人が伝説の吸血鬼を退治するのはまた別の話。