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環境破壊により死の星と化した地球から脱出すべく、ラミィと茶黄はロケットに乗って宇宙へと出発した。
「これで地球ともお別れかー。」
「ちょっと寂しくもあるな。」
「それにしても、師匠がこんなのの免許持ってたなんて初めて知りましたワ。何で教えてくれなかったんだよ。」
「あー。若い頃は資格取りまくってたからね。後になって思い知ったよ、簡単に取れる資格は就職に役に立たないって。確かこれは通信教育で取ったよ。」
「通信教育なんだ...。なんか不安になってきた。燃料はちゃんと満タンに入れてきたんでしょうね。」
「大丈夫、予備もあるよ。ホラ。」
茶黄が見せたのはノンアルコールの缶チューハイだった。
「ノンアル!?そんなんでロケットが飛ぶ訳ないでしょーが!」
「馬鹿言え!実際に飛んでんだよ!」
ブーブーブー!
「え、何?警報?」
茶黄は慌ててコントロールパネルを操作した。
「む、敵だ!」
「敵?一体何が。」
ふと窓から外を見ると、ジェットコースターが宇宙空間を駆け回っていた。
「何でジェットコースターが!」
と。
ジェットコースターから一升瓶が飛んできて、機体を大きく揺らした。
「おわ!一体何なんだ!」
よく目を凝らすと、そこに一人の娘の姿が見えた。
「私のノンアルをこんな無駄遣いしやがって!万死に値する!」
「遮音!」
「堕ちるとこまで堕ちたな。」
「おめーのせいだろ!」
「そんなことより腹減ったな。ピザの宅配でも頼むか。」
プルルルル。
「ピザよりビーフシチューの気分だな。あとパスタとグラタン。」
ガン!
遮音の投げた一升瓶が機体を大きく損傷させた。
「おい!穴開いたぞ!」
「リサイクルショップで買ったからか!安物買いの銭失いだぜこんちくしょう!」
「うわー!墜ちるー!」
墜落して地球に戻った二人は暫くゴボウで殴りあっていたが、疲れたので止めた。
「あー。疲れた。喉渇いた。」
「水探しに行くかー。」
目の前に遮音が飛び出してきた。
「私の出番ね!乗りなさい!」
「わー。遠足だー。」
「おやつは三百円に入りますかー?」
ジェットコースターに乗った三人は、水を求めて旅に出るのであった。