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(最近邪布たんが変だ。)
「ふふふ。」
ちーん。
トライアングルを鳴らし、目を閉じた。
(一日中トライアングルを鳴らしている。変な宗教にはまったか?)
「ねぇ邪布たん!一緒に王様ゲームでもしない?」
「埴輪になって土にでも埋まってろ。」
「ビェ!」
私は埴輪になって床に埋まった。
「トライアングルって素敵だよね。何だか不思議な魅力が。」
ちーん。
突然視界が歪み、意識が薄れていく。
「ハッ!ここは!木製の小舟の上?」
「バミューダトライアングルだ。」
「え?船の墓場っていうあの?どうしてそんな場所に。」
「どうやらトライアングルはバミューダトライアングルに繋がる魔道具だったらしい。でも大丈夫!こんな晴天で船が沈む要素なんて...。」
「ギョギョギョ!」
「何奴!?」
「我ら魚介海賊団!船長の遮音ギョギョギョ!」
「船長の愛人ギョギョ!」
「まずい!シーラカンスだ!」
「シーラカンスの身は歯ブラシみたいな味で現地の人も食べないよ。」
「うるせぇ!いいから船を守れ!」
「任しとき!社会という荒波に揉まれて育ったこのラミィにとって雑魚二匹どうということはない!オラ!逝け!」
カジキと化したラミィは鋭い吻を振り回して二人を弾き飛ばした。
「チクショー!」
「これがシーラカンスの扱いか。」
星になった二人を背に、ラミィが海面を跳んだ。
その時、ラミィが光り輝き、三つの星がトライアングルを描いた。
世界が歪み、二人はまた意識を失った。
「邪布たん?」
「どした?」
「私達って何?」
「見ればわかんだろ。...秋刀魚の干物。」
「干されてるね。」
「ん?当たり前だろ。僕達秋刀魚の干物になるんだから。」
「そっか。なあ邪布たん、干物になったら私達結婚」
「ハロッホー!!」
「何っ!?何か走ってくる!まじで何あれ!」
「てぇへんだ!擬人化したバミューダトライアングルだ!」
「なんと!シーフードにされちまう!逃げるぞ!」
「がってん承知の助!」
こうして、私達は逃げ回った。海を越え山を越え、海千山千となった私達が最後に辿り着いたのは、見知らぬ大陸でした。
「それが後のアメリカって訳。わかった?」
「いや全く!」