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いつもの様にスプンは茶畑で作業を終え、家に帰った。
「ただいまー。ママー、おやつあるー?」
「はいはい。今日はケーキ買ってきたよ。」
手を洗って居間に行くと、伝電ママがショートケーキを用意してくれていた。
「わーい!ケーキだ!おいしー!」
「実はね、スプンちゃんに言わなきゃいけないことがあるの。」
「なに?」
「ママ、便座さんと結婚しようと思うの。」
「!??!?!」
「ママ、本気なの。一人の女に戻りたいの。」
「え~、でも、パパもいるし~。」
「そうだよママ。パパの何が不満なんだい。」
茶黄パパがひょっこり出てきた。
「んー。オスとして枯れてるとこ。」
「リ、リアル!!」
ショックを受けて床の穴に入った。
「でもほら、我輩だけじゃなくて妹もいるし。」
さっと現れた妹の夏霧は大きな荷物を背負っていた。
「夏霧どうしたの、その荷物。」
「ああ、私やりたいことあるから上京するんだ。こんな茶葉臭い家は嫌なんだよね。」
「え...。今出るの。」
「じゃあな、姉ちゃん。」
家を出ていく妹の夏霧。
「ママも、そろそろ行くね。」
「待ってよママ!まだ話し合う時間はあるでしょ。」
「妊娠しちゃったし、もう何も言うことは無いわ。」
「!?!!」
「家族にバレない様にせっせこ子作りしてたから。」
「せっせこ!?」
「じゃあね。」
「待ってよママ!ママー!」
「ハッ!」
目を覚ました癒論は顔を洗った。
「悲惨な未来が見えてしまった。何とか阻止しないと、タイムパトロール失格だよね。」
制服に着替え、スプンの家に向かった。
その道中。
「ん?何か人集りが。」
「さあ!いよいよ始まりました【黒歴史バトル】!ラミィ選手と邪布選手のいかなる黒歴史が披露されるのか!そして、負けた場合、その選手の相方の黒歴史まで公表されることになります!ラミィ選手が負ければ深流さんの、邪布選手が負ければ遮音さんの黒歴史が表舞台に!今宵、如何なる黒歴史が歴史に刻まれるのか!さあ、注目の一戦です!」
スゥ...。
通り過ぎようとした癒論だったが、後ろ髪を引かれて振り返った。
「やっぱり見過ごせないや。全力で目の前の惨劇を防ぐ。行くぞぉ!」
癒論の黒歴史が流布するまで、あと十五分。