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「挑戦者か。受けて立とう!」
「ラミィちゃん今日こそトップアイドルの座は譲ってもらうんだから!」
「友隣先輩じゃ力不足だってこと、わからせてあげますよ。」
ここに、トップアイドルの座をかけた熾烈な争いが幕を切った。
トップアイドルの条件。それはいかに上手く古墳を作れるか。
「では、お二人に古墳作りの意気込みをおききします。まずはラミィさんから。」
惚莇がマイクを向けた。
ラミィは目を瞑り深く息を吸い込んでこう言った。
「古墳は人生の相棒。」
「相棒、良いですね。では友隣さん、一言。」
「帰るまでが遠足です。」
「遠足でした!古墳作りスタート!」
パァン!
空砲が鳴り響いた。
それを合図に動き始める二人。
ラミィはショベルカーを操り、土を掘って盛り上げていく。
一方、友隣はリスナーに作らせ応援していた。
「審判!反則です!」
ラミィが挙手すると、空から癒論が降りてきた。
「いやー、でもルール上問題はないし。」
「あるだろ!真剣勝負はタイマンだろ!」
「怠慢だねぇ。」
「...。」
「文句があるなら自分もやればいいじゃないか。」
「そうだ。私にもファンの皆がいる。絶対に友隣先輩より凄いのを作ってやる!」
そして。
「結果発表!さあ、まずはラミィさんから。」
「見てくれ!これが私の全力!」
そこには巨大な土偶が聳え立っていた。
「あのー、古墳は...。」
「土偶ってカッコいいじゃん。」
「えー、採点は審査員に任せるとして、これは友隣さんにとって追い風になるのではないでしょうか!個人的にはかなり有利な状況だと思います!さあ、友隣さんの作品をお願いします!」
「見なさい!これがあたしの魂の作品!」
そこにあったのは讃岐うどんの店だった。
「わーいうどんだー!」
店に駆け込んだ惚莇。
「古墳のうどん盛り一つ!」
すぐにうどんの様な古墳が出された。
「古墳ちっさ!」