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今日も今日とて違法カジノにやって来た遮音様と私。
「いいんですか?毎日違法カジノに入り浸って。」
「ちぃーちっちー。」
「え、何。」
「虎穴に入らずんば虎児を得ず!労働所得より資本所得の方が大きいのは猿でもわかる道理!正攻法では短期間で金は稼げん!」
「それで、何故急に金が入用に?」
「あれよ。」
遮音様が指差したのは、大型バスみたいに巨大なガチャガチャだった。
「ラミィガチャ?」
「そう。一回二百万の違法セクサロイドガチャよ。狙うはSSRのロリラミィ!」
「待って!」
「わ!何よ。急にしがみつかないで。」
「私がいるじゃん!」
「妹...欲しくない?」
「要るかボケ!」
「そう...。でも、邪魔はしないで。私はこの為に何もかも全部捨ててきたから。」
「そこまでの覚悟で...。わかった。見届けさせてもらうよ。特等席でな。」
「さもありがとなん。」
「さもありなんだな。」
「そういう説もある。」
「...。」
「さて、回すか。キャッシュカードを挿入して準備オーケー。」
「た、大変だ遮音様!」
「サツか!」
「昨日回した奴がエラーラミィを引いちまったらしい!」
「エラー?どんなだ。」
「大和撫子みたいな奴らしい!あまりにも立ち居振舞いが淑女で、何かのミスで人格がおかしくなったみたいだ。不良品が混ざってるならこれはもう手を引くしかないよね!」
「それだ!それが出るまで回す!」
「逆効果か!無茶だ!エラーを引く確率は落雷が直撃するよりも低いんだぞ!」
「だったら!」
とう!と飛び上がった遮音様に、雷が落ちた。
「遮音様!」
「雷がなんぼのもんじゃい!」
遮音様がガチャを回した瞬間、帯電していた電流が一気にマシンへと流れ、黒い煙を吐き出した。
一回だけのつもりが、何度も排出を繰り返す。
排出されたラミィがセリフを喋る。
「私の後輩を泣かせたのはてめぇらか!」
「あれは!回想で私を助けてくれた時のラミィ先輩!」
「バリバリバリバリ!」
「あれは!女子力全開の私の真似をするラミィ先輩!」
「いいお湯だった。」
「あれは!入浴後の館内着ラミィ先輩!」
「たまには女の子っぽくスカート穿いてみたんだけど、似合ってるかな。」
「ッ!こいつぁ沢山卵を産まなきゃ失礼ってもんよ!」
「ああ!性癖に刺さるラミィを見て遮音様が活きのいい鯖にっ!」
「いい女を前にすりゃ鯖にもなるってもんよ。ピョンピョン!ウッ!」
「ああ!腰をいわして鯖折りになっちまった!」
「最期にいいもん見れた。悔い無し。」
「サバサバしとるな!って、ガチャから出てきたラミィがカジノの壁を壊して外に出ていくぞ!」
「まさにサバイバル...だね。」