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ラミィのおもちゃ箱  作者: らりるらるらら
14/33

14

砂浜沿いの道路を真っ赤なスポーツカーが走っていた。

「休日のドライブは最高ですな、ぺこ太郎。」

「ワンワン!」

ぺこ太郎が上を見上げていたのでその視線の先を追った。

そこには一羽の鳥がいた。

「あー、よその家に産み付ける卵は格別だよなー。ぶりぶり~。」

「あ、伝電ちゃんだー。」

「元からあった卵は外に落として、と。」

巣から卵が落ちてきたのをキャッチした。

「伝電ちゃんってたくあん女子だったんだねー。」

ピキピキと罅割れ、中から赤ん坊が飛び出してきた。

「おぎゃあ!」

「友隣ちゃんおあよー。」

「おぎゃあ!」

「何言ってるかわかんねーし座れよ。」

ぺこ太郎を後ろの座席に押し退けて友隣を助手席に置いた。

「あ!鮫さん!見て見て!」

海の方を指差すので見てみると、浜からすぐ近くの海上に巨大な鮫が浮遊し、泳いでいた。

「ワ~オ!しろくじらだ!しろくじら!」

「違うよ!シャークタイラントだよ!」

「シャークタイラントか~。ん?」

砂浜を駆ける一人の娘に気が付いた。

「おんしゃー!取っ捕まえて市場に売りに行くぜー!」

「あ、惚莇ちゃんだ。」

一瞬でシバいて鮫を陸に引き摺ってきた。

「大漁大漁。」

満足気にしていると、

「密漁者だ!逮捕だ!」

警官姿の夏霧がパトカーで砂浜を爆進してきた。

「げ!ポリス!撤収じゃー!」

人力飛行機をキコキコと漕いで空へと羽ばたく惚莇。

「ヘリ来てヘリ!うん、犯人飛んでったー!」

海を遠目で眺める夏霧。

それを横目にスポーツカーは前進する。

「友隣ちゃんは行きたい場所とかあるの?」

「お魚さん食べたい!」

「じゃあ市場行こうか。」



「わーい!市場に一番乗りー!」

「わー!お魚さんだー!」

「えなになに?お魚サンダー?必殺技?」

「ピチピチ!ピチピチ!」

何者かが急に会話に入ってきたので振り返ると。

「私は新鮮なワニ。お買い得だよ。」

「茶黄ちゃんおあよー。」

「挨拶なんかいいから!見ての通り捕まって売られてんだよ!助けろよ!」

「いくら~。」

「五百円だって。高いね。」

「値踏みしてんじゃねぇ!さっさと買え!」

「しょーがないなー。貸し一つだからね。」

「まいどありー!あんがとさん!」

勢いよく走り出した茶黄の後を追うと、海に飛び込んでいった。

「私はこれからマンボウを食べに行くぜ!あば」

「あわわわわわ!」

それは空から落ちてきた。

惚莇の人力飛行機は着水と同時に大破した。

「あ~。私のぽんぽこ丸が~。ん。」

下敷きになった茶黄に気付き、尻尾を掴んで持ち上げた。

「こんなところに手頃なワニがいるな。よし。これを市場に持ってくか。」

そして。

「値踏みしてんじゃねぇ!五百円だぞ!おめぇら買えよ!」

買った。

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